てづか

クワイエットルームにようこそのてづかのレビュー・感想・評価

-
個人的な気持ちの問題でしばらく映画が観たくなかったので観なかった。観てまた自分のことを勘違いするのが怖かった。

でもまぁなんだかんだで「そろそろ観なきゃいかんだろ」という強迫観念めいたものも感じてはいたので、そのタイミングでちょうど友達にすすめられたこの映画を鑑賞することにした。


眠れない夜のお供にするには適した映画だったなあと思う

ひたすらにゆるーく流れる時間が心地よかった
物語というよりも、ひたすら独白
でもその中にきちんと起伏はあって、緩急もあって、飽きずにみられるようなつくりにはなっているんだろうなと感じた

クドカンがおしりを出したまま号泣するシーンが好き

あと、睡眠薬は注意するのに「マリファナだったらあるけど」とか言ってるクドカンにはちょっと笑った、不謹慎すぎる

それから、この映画を観てはじめて蒼井優を単純にビジュアルだけで可愛いと思った


真面目な男と結婚したけど直ぐに飽きて、「私はやっぱりアホが好きだった」と淡々と語るところも好きだった。自分にガッカリしているところはとても共感できる。クドカンに対して、「鉄ちゃんは面白い国の人間だから、私みたいなつまらない国の人間重いよね」ってセリフ。

住む世界が違う、見てる世界が違うって辛いよなぁ、と。なんだかなぁと切なくなった。


なんで友達はこれを私にすすめてくれたんだろう?

なんでこの映画が好きなんだろう?

どういうところが好きなんだろう?

その人のことをもっと知りたいと、今は思う。

懲りずにまた他人に興味を持ってしまっている自分が怖い。

それも勘違いな気がする。

まあそれでもいい。なんでもいい。
転機になってもならなくてもいい。

ただ、映画を観た。それだけ。

それだけで大した人間になれたような気には、もうならない。

これからは…というか、もうそうなれてるとは思うんだけど。

わたしも、つまらない人間として、つまらない毎日でも面白く楽しく生きていけると思う。


また同じことを繰り返すとしても。
曲がりなりにも、置かれた場所で人間関係を築いて明日への1歩を踏み出した主人公をみてそう思った。
てづか

てづか