タカシサトウ

眺めのいい部屋のタカシサトウのネタバレレビュー・内容・結末

眺めのいい部屋(1985年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

[フィレンツェの眺めのいい部屋]

 ラヴ・ストーリィとしての話はありきたり。

 しかし、ルーシー(ヘレナ・ボナム・カーター)が、自分とは合わないセシル(ダニエル・デイ・ルイス)から離れ、自分の気持ちから逃げてギリシャへ行こうとするのもやめて、ジョージ(ジュリアン・サンズ)と“眺めのいい部屋”を再び訪れるのにも、グッと来た。

 ルーシーが自分の気持ちのままに進むのは、やっぱり感動させられる。

 始まりのプッチーニの“私のお父さん”を初めとする音楽の使い方も良かったし、旅行先のフィレンツェも、“眺めのいい部屋”から観るベッキオ橋も、本当に美しかった。フィレンツェという街は何だか不思議な所だと思う。実際に観ても本当に綺麗だったけれども。

 ジュリアン・サンズはちょっと影が薄く、マギー・スミスもダニエル・デイ・ルイスもジョナサンの父親のデンホルム・エリオットもいいけれども、ヘレナ・ボナム・カーターが最も初々しくも貫録があって良かった。

 「ハワーズ・エンド」に続いてジェイムズ・アイヴォリーのを再び観る。落としどころがきっちりしている(2021.6.7)。