shibamike

ひものshibamikeのレビュー・感想・評価

ひも(1965年製作の映画)
3.5
歌と演奏:ミャロル🐶
曲名:ヘイ、辰ニー

矢沢三毛吉「ヘイ!辰ニー!」

(ギター:ジャラジャラジャラジャラ…)

ジョニー三毛蔵「
ここで辰ニー探し〜♪
早くクラウディアにホーミタイ♪
君の為なら♪
ギミオーマイラブ♪
君にあげるよダーモリン〜♪


みんな「ダーモリン〜♪」

ジョニー三毛蔵「
アイルービーウェイティンフォー辰ニー♪
ゴーインホー厶♪




「風俗」、「パパ活」、「援交」、「売春」、エトセトラ。
古の太古の大昔から「女性の身体」というのはとにかく金になった。
 昔、自分がよろしくない場所で夜に、とある立ちんぼのお姉ちゃんから「ワタシにお金払う、お兄さん気持ち良くなるネ、天国ネ」と声を掛けられた際、自分は「俺の方こそお金が欲しい」と意味不明な反応をしてしまったところ、「お兄さん、美しくないからお金貰えナイね」とにべもなく返されて、何じゃそりゃと思ったけれど(お金払っていませんよ、失礼しちゃうっ😠)、今にして思うとこれこそがこの世の真理だったのだなと思う。やっぱり女性(の身体)というのは我々男から見ると美しい(身体が)。我々が女性(の身体)を見てだういう心持ちになっているのか女性諸君には想像もつかないであらうし、反対もまた然りでせう(勃起してんだよっ!言わせんな😠)。

で、その我々男が持っていない(身体の)美しさを持った女性(の身体)というのが我々は本能的に欲しい。けど、世の中うまくできているもので、女性の方は女性の方で「そんなに私のことが欲しいんですか、ではだうぞ(お股ぱっくり)」とはならず、絶望の大地の裂け目が両者の間には横たわるのであった。

なのですけれども、これが一転して男性サイドに魅力があると、あら不思議!女性の方で「あたしに貴様の愛情を向けろ!」「いや私に!」と股間をびしょびしょにして殺到するという。
何が言いたいのかと言うと、本作では我々の辰ニーが二枚目のヤクザものとして、世の女から金を巻き上げる「ひも」を演じるのだけれど(言ってしまえば梅宮辰夫が羽賀研二を演じるみたいなもんですわな)、これがまぁえげつない!身体を売らせるなんてバイエル(初歩)レベルで、本当に女一人の人生を売っ払う勢いであった。
それでも、女性達は辰ニーにメロメロなんですよ(確かに辰ニーカッコ良かった…!)。
自分はこの作品の極悪ひもの演技の呪いのせいで、梅宮アンナが羽賀研二というリアル極悪ひもの毒牙にかかってしまったのではないだらうか?と帰りの電車で考え込んでしまった。
辰ニー「稀代の悪だっ!」

中盤くらいまで、本当に胸糞な話で眉をひそめていたけれど、なぜかなぜか終盤には「あれ?これ白黒のフランス映画?」と見紛うほどのスタイリッシュさで見惚れた。
緑魔子の鬼気迫る演技が、自分には一瞬アンナ・カリーナに見えたのだけれど、同じやうに感じられた方のレビューが他にもあり、やはりさうなのであらう。

ヒロインであり辰ニーの餌食となった被害者でもある静江(緑魔子)。辰ニーは静江を骨の髄レベルまでしゃぶり尽くしたが、結局静江のことが好きだった(と自分は思う)。一方の静江はだうだったのか。辰ニーのことを憎悪し、純情だった頃の自分も今や昔。
色んな感情が渦巻いての最後のあの表情だったやうに思った。口は笑って虚ろな目は涙を流して。


上映が終わり、明るくなる場内。作品の余韻冷めやらずしんみりした気持ちの自分に場内のBGMが響く。辰ニーの「シンボルロック」。
辰ニー特集に関係なくラピュタはちょくちょくこの歌を流しているけど、自分は当然歌詞の「シンボル〜♪シンボル〜♪」の部分を「チンポコ〜♪チンポコ〜♪」に脳内変換している。
チンポコロック♪


ひも三毛 男根の一句
「勃つ内が 男の華と いうもので」
(季語:勃つ→羨ましい→春)
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