シネマJACKすぎうら

マンハッタンのシネマJACKすぎうらのレビュー・感想・評価

マンハッタン(1979年製作の映画)
4.2
自分の中では、名作『アニー・ホール』と対をなす大好きな一本。

『アニー〜』は、ほとんどBGMの無い、ウディ・アレン演じる主人公の内面にフォーカスした物語だった。一方、本作はジョージ・ガーシュインのクラシカルな音楽に彩られた6人の男女をめぐる群像劇。

季節柄もあるが、どこか冷んやりとしたニューヨークの情景。そこで繰り広げられるいいオトナたちの”まるで子供じみた”恋愛劇が、17歳の少女の凜とした佇まいとコントラストを成して、なんとも可笑しい。

そして、ウディ・アレン作品でお馴染みのシニカルな目線は、あくまで自身を投影した主人公に向けられている。だからこそ、この映画はどことなく”愛らしさ”を醸し出しているのだろう。

しかし、彼は決してネガティヴに振り切っているわけではない。秘められた(?)自己愛とポジティブマインドが、終始この映画の隠し味となっている。それは17歳の彼女あり、という”身勝手な”設定にも込められているのだ(笑)。


※さらに詳しいレビューを『アニー・ホール』と共に書きました!
http://eiganihitaru.hatenablog.com/entry/2016/12/11/203008

※ネット番組でも『アニー・ホール』と共にレビューしました!
https://youtu.be/NhE4hog6mms