とりあえず簡単に借りられるIVCの短いversionで見ました。
物語自体は、既に何度も繰り返されたテーマですので、特に目新しい部分はありませんが、美術や衣装の美しさには目を見張ります。また、近未来の会社のインテリア等も、世の中がこの映画にようやく追いついて来た感すらあって面白かったです。
いかにも1920年代な、アンドロイドの退廃的なダンスなども見所の一つでしたし、モブシーンの演出は素晴らしく、結末の予想はついても、引き込まれてみてしまいました。
ただ、見た版がリマスターされていない短い物だったので、本来の映像美やストーリー展開を味わうには至りませんでした。そのせいでしょうか、傑作とまでは感じませんでしたし、同じ表現主義なら、『死滅の谷』や『カリガリ博士』の方が心理的にも深いし、ホラー的な持ち味も生きているような気がしましたのでこれが表現主義の映画の最高傑作というのも違うような気がします。(というよりは、表現主義の枠には収まりきれない作品のような気がしました。)
その辺をしっかり味あうためにも、近いうちに、ぜひより美しいversionで見てみたいと思います。
(最新のDVDでも見てみたい 2010/12/20記)