あっさりゆで卵

ゲゲゲの鬼太郎 大海獣のあっさりゆで卵のレビュー・感想・評価

ゲゲゲの鬼太郎 大海獣(1996年製作の映画)
3.5
「ゲゲゲの鬼太郎」アニメ第4期の初劇場版作品にして、鬼太郎映画では第5弾にあたる作品。

東映怪獣映画のようなタイトルバックで始まる今作。正に鬼太郎が大海獣と呼ばれる大きな鯨の怪物になってしまうというストーリーです。

この話の原案としては、遡ること61年前の1958年に暁星書房から刊行された水木しげる「怪獣ラバン」という作品。その後貸本版の「墓場鬼太郎」の"鯨神"としてリメイクされ、アニメシリーズでも描かれる大海獣の原型ができました。
勿論「ゴジラ」にインスパイアされているのは間違いなく、何より「怪獣ラバン」はゴジラの血を取りに行く話なので、正にですね笑

今回は劇場版は「大海獣」と「南方妖怪」も組み合わている大盤振る舞いです。みんな大好き妖怪チンポ、この名前が使用されたのも4期まで。見納めです。
出てくる原住民のモデルは、水木ファンならお馴染みのニューブリテン島のトライ族。戦時中水木先生が交流していた部族です。このシーンに出てくる眼鏡の日本人は水木先生ですね。
また不老不死の秘薬を狙った男2人組はゲゲゲの鬼太郎「地獄流し」に出てきた銀行強盗2人組に似てますし、井戸仙人まで出てくるというサービス満点ぶり。
兎角ファンサービス的な水木作品ネタが多く入ってました。

鬼太郎が大海獣になるくだりは、子供にはなかなかのトラウマものだなあと思います。また大海獣になってからは、それこそ怪獣映画的です。

と尺的には50分ですが、劇場版らしいボリュームある内容です。小ネタも多くファンサービス満点なのでとても楽しい作品でした!