ぐるぐるシュルツ

好奇心のぐるぐるシュルツのレビュー・感想・評価

好奇心(1971年製作の映画)
3.3
ルイ・マル初鑑賞。

15才・三男坊の主人公が、
その嫉妬深さ・独占欲・偏屈さ・視野の狭さを抱えながら、
精神的に自立していくまでの過程を描く、いわゆる成長譚。
でも「ジャズ」「産婦人科の三兄弟」「仏印と宗教」「母子相姦」という組み合わせが、面白くて、なかなか他に見ない作品になっていました。
特に、あの少年に似合わないジャズ。
小憎たらしい(笑)

本来、
思春期の性への興味関心は、外へ向かうはずですが、
「女」としての面が強く、誰もが惹かれてしまう母親のせいで、
主人公の中で愛情がねじれてしまいます。
(おそらく、本からの過剰な知識・兄弟に仕向けられた性の体験・母の不倫の目撃が、更に敏感さを高めています)

こうなると、もうドロドロになってもおかしくないですが、母のあっけらかんとした態度もあってか、
一度の母子相姦を通して、
抱えたものがが綺麗に解消されていきます。
そればかりか、最後は父親とも心理的に近づくことができてしまうのです。
(「歳をとってオヤジの気持ちがわかった」みたいな正規ルートではないですが笑)

この軽妙さが、意外と好きでした。

でもね、世の15才の少年は、
ある意味、
ほんとうにこれくらい
おかしくなる瞬間があったりするんです。
もう、こればっかりは仕方がないのです。