ペイン

ムカデ人間のペインのレビュー・感想・評価

ムカデ人間(2009年製作の映画)
4.0
“羊たちの沈黙”

遂にこの悪名高き映画史上最大の問題作に手を出してしまった。

ただ見終わった後の率直な感想はめちゃくちゃよく出来た“面白い”映画だったということ。

本作の監督はニュースを観ていて子供に性的いたずらをした犯罪者を見て“こんな奴は汚い太ったトラック運転手の肛門に口を縫い付けられてしまえ”と思ったのを機にそのままこうやって映画化したそうです(笑)きちがいですね(笑)

ただ根本のアイデア、発想こそ過激ですが映画としての作りそのものは実はもの凄く端正で上品。カメラワークや画作りはスタイリッシュ。“映画としてのルック”はまるでコーエン兄弟の映画を観ているかのようなんです(笑)

役者陣の演技なんかも全員ホントに一級品で素晴らしい。ムカデ人間にされてしまった3人の俳優たちが考えうる限り最低最悪な状況でもそれでも手を取り合ったり人間の尊厳が垣間見える瞬間があったりで私は最終的にこの映画で感動して泣きました。

そして主人公のハイター博士は「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクター博士に匹敵する名キャラクターだと思います。
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