やし

JSAのやしのレビュー・感想・評価

JSA(2000年製作の映画)
4.0
「同じ民族が一緒にしりとり遊びをしただけだ」


2001年公開作。当時韓国で社会現象にもなった話題作にして名作。
なんと朝鮮半島の南北緊張が続く境界線で発生した射殺事件を扱った映画。
もちろんフィクションだが、題材からして凄い。
が、それだけでなく、映画製作した韓国が描いた北朝鮮や、南北の関係性など完全にタブーを扱った内容でありながらサスペンスとして堂々たる出来。

当時映画館で鑑賞して以来の再鑑賞。


朝鮮半島の南北境界線で射殺事件が発生。
北と南、全く異なる証言をする生存者たち。
中立国監視委員会は調査を開始するーー


前半の導入パートはイ・ヨンエ。

改めて観たらやはり物語導入の前半部はちょい訳分からんくなった。
登場人物が意外に多く、北朝鮮と韓国、誰がどっちか、しかもストーリーも足早でね。
ただ、終幕後ここを観返すと……。


中盤の回想パートはソン・ガンホとイ・ビョンホン(彼だったんだ…)。

地雷が生んだ出会いと絆、
お互いの立場を超えた絆、

境界線での唾かけのやりとりは笑えたけど、、

「俺の夢はいつか北朝鮮が南より上手い菓子を作ることだ」


そして"あの"場面。
"彼"の顔から顔へ、物語は再び現在へ。

事件後の初対面、
二人の目が語る思惑、

ラストの決意と一枚の写真、、、



分断の半世紀ーーー
屈辱と苦痛の歳月を超え
統一の扉を開けた
やし

やし