Mikiyoshi1986

ファニーとアレクサンデルのMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

ファニーとアレクサンデル(1982年製作の映画)
4.8
内容面からも技量面からも魔術的な要素を含んだベルイマンの5時間超大作!
舞台は20世紀初頭のスウェーデン。超裕福なエクダール一族に訪れる不穏な影と負の連鎖。
少年アレクサンデルの目線で描かれる大人の奇異さや不条理もさることながら、幼少期に感じた現実と幻想の境のない曖昧な認識も秀逸です。
子どもの無垢さと罪悪という点では「大人は判ってくれない」や「ミツバチのささやき」を彷彿としたし、その超常的・神秘的な意味ではちょっとトトロを思い起こします。
ベルイマンの自伝的要素と彼の晩年の人生観が生み出した本作は観る者の感性を大いに刺激し、その理念が寸分も狂わず見事に仕掛けられている最高傑作。
豪華絢爛な美術・小道具にも度肝を抜かれます。
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