みみみ

ユージュアル・サスペクツのみみみのネタバレレビュー・内容・結末

ユージュアル・サスペクツ(1995年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

恐るるべきは見えるものか見えざるものか

【あらすじ】

船の炎上事件を調べていた刑事のクイヤンは、殺害による大量の死人が出た船の炎上事件から唯一無傷で生還したキントを尋問していると興味深い話を聞くことになる。
「この事件の事の発端は6週間前に銃の強奪の容疑をでっち上げられ、俺を含む5人の前科者が連行されたことだ。」
キントによると、5人は釈放後、お金を稼ぐために宝石鑑定士を襲い、お金と宝石を強奪する"ヤマ"を実行したらしい。さらにその"ヤマ"の実行後、5人の今までのことを事細かに知る「カイザー・ソゼ」の雇っている弁護士から「船を襲撃し、ヤクと金を強奪しろ。」と命令を受ける。「カイザー・ソゼ」は誰も顔を見たことはないものの、自分の妻子だろうがなんだろうが躊躇なく手にかける「鉄の意思」を持つ者だという伝説もあるといる。命令に背くと自分の命はもちろん、家族や友人もただでは済まないだろう。命令に背くと殺される、実行したとしても、とても生還できるようなものではない。それを理解しつつも5人は計画実行に踏み出す。
「カイザー・ソゼ」とは一体誰なのか。そもそも実在する人物なのだろうか。キントは船の炎上事件で「カイザー・ソゼ」の名前を聞き、姿を見たと言うことを話し出す…

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やっと見れた。ずっと見たかったと思っていてやっと見れた。
感想としては、「面白い。だけどラストのひっくり返し方というより、仕掛けが面白い。」だった。
この手の映画の結末って、正体不明の人間の正体って、①主人公(本作だとキートン)、②語り部(本作だとキント)、③そもそも存在しない、のどれかのパターンが多く、本作でも②だったので、そこに大きな衝撃はなかった。
ただ、面白いと思ったのはその仕掛け。本作の過去の回想は全てキントの証言として語られ、それが映像として流れるんだけど、これが実は大半がキントが取り調べ室で目にしたものを使ってでっち上げていたということがラストに明らかになる。見ているこちらとしては、当然この回想も映像として流れている部分は事実として起こったもの、として認識するので、ラストでそう来たか、と面食らうことになる。
カイザー・ソゼの正体には驚けなかったけど、この仕掛けは本当によく考えられているし、めちゃくちゃ面白いと思った。
真犯人はこいつでした!ってだけのひっくり返し方の映画は中々見返して伏線見つけようって気にはなれないけど、本作は回想のどこが真実で嘘なのかという視点で見返せそうなので、また見てみようかな。手足不自由なのもきっと嘘で、ネタバラシの前のどこかでコソッと使うシーンあるんだろうと思っていたのに見つけられなかったし。(これはやっぱりあったみたい。)
あと、冒頭のクイヤンの「容疑者が3人いれば全員捕まえる。夜になればぐっすり眠るやつが真犯人だ。真犯人は捕まったことに安心する。」のセリフも個人的には伏線なんじゃないかなとは思った。皮肉として表現されているだけなんだろうか。
結末知った上で再度見返して、ゆっくりお宝探ししようかな。
みみみ

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