ぱんぴー

蝶の舌のぱんぴーのレビュー・感想・評価

蝶の舌(1999年製作の映画)
4.0
「チョウに舌があることを知っているか?」

神の存在、男女の恋愛、死後のことなど、子供の頭の中には常に疑問が渦巻いているものですよね。

そんな疑問を持つ子供達に対して優しく包み込むように接しながら、自然の中から様々なことを教えてくれるグレゴリオ先生に感心しっぱなしでして。
こんな先生がいたら絶対楽しいし、良い子に育つよ!育ちまくるよ!

死んで地獄にいくことを恐れている主人公に、「他の人には内緒だぞ。実は地獄ってのはね…」と、ある意味現実的でかつ優しさ溢れる答えを教えてあげる下り、最高。

先生からの教えだけでなく、兄の切ない恋愛を通して愛の力を学ぶ場面も非常に美しかったです。

しかし物語は残酷なラストへとゆっくりと進んでいく。
ただただ自由を追い求め、そして自由を教え続けてきてくれた先生とのあんまりすぎる、さよならの時。

嘘をつかねば生きていけない戦争の不条理さを感じながら、
悲しいとか、悔しいとか、そんな簡単な言葉では決して表すことができない痛切なラストにただただ呆然としました。

落としどころのないこの感情をどうすればいいの?教えてよ先生…
ぱんぴー

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