ぱんぴー

イン・ザ・ベッドルームのぱんぴーのレビュー・感想・評価

イン・ザ・ベッドルーム(2001年製作の映画)
3.5
【喪失感に向き合おうとする老夫婦を丹念に描いた作品】

序盤は明るめのロマンス、
中盤は非常に暗いヒューマンドラマ、
終盤は怒りに満ちたサスペンス、
の3段組で構成されている作品です。

監督は後に『リトル・チルドレン』なども手掛けるトッド・フィールドということで、やはり役者の表情や会話で魅せてくる人だなと。俳優も兼ねていらっしゃる方ですので、演技に関する熱量の高さも伺えました。
『リトル・チルドレン』の1/5程度しかMarkされておりませんが、こちらも必見の一作だと思っております。

タイトルからベッドシーンを期待されている方にとっては、期待外れに終わる作品になるかと思いますが、
愛する者を失った喪失感をここまでじっくりと丹念に描いた作品はなかなかお目にかかれるものではありません。

ただ、長いし暗い。
そして見終わった後に心に穴が空いたような無力感に襲われるということで、
さあネガティブな作品を見ようと思ってみないと、非常に力を込めてゆっくり振りかぶった平手打ちを食らったかのような気持ちになるのでご注意を。

序盤で、これから起こる悲劇と現代の司法への批判を暗喩している「ロブスターの選別」のお話ですとか、
老夫婦の観ていて心にズキズキくる口喧嘩ですとか、考えさせられるシーンも多く、見応えは抜群ですので、ぜひ体力が残っている時にじっくりと観てみてほしいです。
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