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ワン・プラス・ワンのSPNminacoのレビュー・感想・評価

ワン・プラス・ワン(1968年製作の映画)
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とりあえずストーンズのレコーディング風景、スタジオの衝立や壁とメンバーの衣装、そのカラーコーディネイトが完璧じゃないか。そして延々刻む同じリズム、ぐるぐる回るカメラ。それはリーディングのリズム、前衛芝居風シークエンスのカメラにも共通し、映るもの映らないもの、世界の内と外、いくつもの光景がぐるぐると円環する。「悪魔を憐れむ歌」とカメラ視点、アウトサイダーと革命を挑発する者は繋がっていて、ゴダールの政治姿勢ありきだけど、1968を切り取ったコラージュにはカオスな共時性が。
同時にごっこ遊びというか、ナンセンスでシュールなコントだったりもして。シネマルキシズムやゴダールもこの時代も後から見れば…となるからまた複雑だ。でも音楽そのものがムーブメントの空気をまとめていて、映画もバンドも時代もバラバラな断片の集まりが奇跡的にシンクロした結果に思えて面白い。それを真空パックしたタイムカプセルみたいなものかも。
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