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ものすごくうるさくて、ありえないほど近いのjunのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

アルペルガー症候群の傾向を持つ10歳の少年オスカー。好奇心は旺盛だが人と関わることが苦手なオスカーのために父トーマスは『幻の第6区』を探す調査をしようとオスカーに持ちかけ二人の探検が始まります。

そんな矢先9.11テロが発生し父トーマスは帰らぬ人に…
オスカーは深く傷つき調査をやめてしまいます。

一年後、久しぶりに立ち入った父の部屋で謎の鍵を見つけたオスカー🗝️一体なんの鍵なのか、好奇心を掻き立てられたオスカーはこの鍵に合う鍵穴探しの旅を始めることにーー

父を亡くし失意の中この鍵の真相を探している間はまだ父と繋がっているような気持ちでいられるのかな?と勝手に想像しては切なくなりました。

途中旅を共にするようになる失語症の老人。実はオスカーの祖父だと後に分かりますが、この老人との出会いがとても大きかったように思います。
父の死を目の当たりにしたオスカーには怖いもの、苦手なものがいっぱいあります。
けれどいつ起こるか起こらないかもわからない事に怯えて暮らすのは世界を狭める事になりもったいないよと教えてくれます。
一歩づつ、一歩づつオスカーは強くなり成長していきます。

父の死はいつか受け入れなくてはいけないけど時間がかかるもの。
鍵穴を探しながら少しづつ気持ちを整理する。その時間さえも父トーマスがオスカーのために遺した贈り物だったように思います。

結局鍵穴はオスカーとは無関係だったわけですがそれでもこの旅で彼が得たものは何ものにも代え難いものだったでしょうね。

ラスト母親が実はオスカーより先回りをしていたことが明かされますがこれは少し複雑でした。
母の愛であるのは確かですが『自分の力でやり遂げた経験』これこそがこの先オスカーが生きていくために必要な力になると思うのでオスカーにわざわざ伝えなくてもよかったように感じました。
直接本人に伝えるのではなく実は先回りしていましたよっていう描写をエンドロールに差し込まれていたらたぶん大号泣で幕を閉じていたと思います。

タイトルの通り、親の愛というのはものすごくうるさくてありえないほど近いものだったなぁと再確認したし私も今そう思われてそうだけどそれでいいんだ!と思えました。
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