咀嚼するのに3回かかった。正直にいえば、大林監督の考えとぼくの考えでは違うところもあるし、そこがノイズになったのも事実だった。しかしだ。それまで映画内にちりばめられた断片が一か所に集まって大団円を迎えたときの感動は一体なんだ?要は、この映画はお説教的要素もあるが、その前提としてあることを気付かせる役割を持っている。戦争も、震災も、あなたにとって関係のないことじゃないということ。
ぼくは一時期東日本大震災に関わる仕事をしていたこともあった。この映画について考えると、その時にそれだけの想像力を発揮できていたかと自問自答せざるを得ない。