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渚のシンドバッドのgcpのレビュー・感想・評価

渚のシンドバッド(1995年製作の映画)
4.0
若者にとっての「ちゃんと好き」て、なんだろうか。友情とは違う感情だろうか、欲望に惑わされないプラトニックな関係だろうか。10代は恋の自覚、勿論愛の概念より「触ってみたい」が先にうまれることもある。自分でもコントロールできないその感情は、同性愛・異性愛関係ない。またそれを受ける方も「そんなに言うなら...」という想いと「嫌」では片付けられない違和感に苛まれる。伊藤くんは吉田くんであり、吉田くんは相原さんだった。だからかんばらくんが手相を見た後にとった行動にもヒリヒリした。ちゃんと好きなはずだからヘンタイと言われて傷つく彼らが痛々しく、砂まみれの海辺のシーンがうつくしい。とにかくあゆが最高。夏みかん畑を語る姿をず〜っと観ていたい。また演技が上手い!と全く思わせない他の出演者も全員素晴らしく、じりじりと手を伸ばして机ごと抱きしめる伊藤役の岡田義徳については今後見る目が変わる。基本内気なのに主治医の前ではこの世の怒りを秘めたようなジリジリとした眼差しが印象的だった。
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