このレビューはネタバレを含みます
名作と言われるだけあります。
鑑賞するまでに脱獄するというネタバレは様々なパロディやオマージュで見たり、人から聞いたりしていて知っていたものの、主軸は脱獄ではないので特に問題はありません。
殺人罪で投獄された銀行員の主人公が相続税に悩む看守を節税知識で助けて労働後のビールを要求するという名場面は獄中という場所でありながらも単なる職場のような温かな場所をうまく表現しているように見えました。
当然、獄中であるために出所する仲間がいるものの、何十年も服役していて社会生活に戻れないのではないかという不安も描かれていたり、先程のビールの場面との対比もあって社会こそが苦痛のように共感できるほど、場所の見せ方の工夫が面白いと感じました。