bluetokyo

フィッシャー・キングのbluetokyoのレビュー・感想・評価

フィッシャー・キング(1991年製作の映画)
2.8
ホームレスを出している時点で、なにか作り物めいている。また、精神障碍者も出てくる。一種のキャラとして、軽く受け入れていいものやら。障害を固有の人格とする、というのとはわけが違うように思える。こんなおかしい人たちがいるんだよ、という見方なのである。むかし、マル金、マルビという本があって一世を風靡したが、すぐに廃れた。景気がいい世の中では、金持ちも貧乏人もキャラなのかもしれない。だが、普通に考えて、金持ちはカネを持っている人で、貧乏人はカネを持っていない人であり、それ以上でもそれ以下でもない。金持ちと貧乏人はキャラではないのである。同様に、ホームレスは、そもそもキャラではないと思うのだけど。

簡単にあらすじ。
危ない発言で人気のDJ、ジャック、今夜も、危なそうなやつからの電話? なんでも、カネ持ちヤッピーの集う、レストランがウザくてたまらん、こいつら、どないしてくれんねん、負け組のおいらは、イラついて頭がぶっ壊れそう。
ジャック、そんなクソカネ持ちどもは、全員、ぶっ殺せや、すっきりするぞ、とアジりまくる。

そしたら、そいつ、本当に、銃を乱射して7人死亡。当人は自殺。
ジャックは、罪悪感に駆られ、DJを辞めてしまい、レンタルビデオ店を経営している恋人、アンの自宅で居候生活。酒を呑んだくれる日々。美人が世話してくれるというのも都合が良過ぎな気もするが。

そして、ついに、海に身を投げようとする。そのとき、ホームレス狩りの若者らに襲われ、ガソリンをかけられた。
火をつけかけられたが、ホームレスのパリーが助けてくれた。数人だから、ホームレスの方が強かったのだね。変な感じだ。

パリーの住んでいるところへ。言っていることが、ちょっと支離滅裂でいかれているみたいで、ジャックは引いてしまう。

どうやら、パリーは、もとは大学教授だったようだ。だが、例のヤッピー殺人事件の被害者の一人がパリーの妻だったのだ。パリーは夫婦でレストランに来ていて、目の前で妻を殺され、頭がいかれてしまいホームレスになったのだ。

悪いことをしたなあ、と思ったジャックは、パリーにカネを渡すが、パリーは受け取らない。どうしようと思っていると、どうやら、パリーは、リディアという女性が好きらしいのだ。で、ジャックは、パリーとリディアの仲を取り持とうと考える。

リディアという女性が、ものすごく不器用な、というか、妙というか、とにかく、笑いものに描かれている。そもそも、パリーは、リディアのどこが好きなのかわからない。妙な動き方をする小動物みたいなものとしてみているとしか思えない。
それ以前に、いくらファンタジーとはいえ、ホームレスの男と女性を引きあわせるというのは、あり得ないような気もするのだが。

で、パリーとリディアの仲を取り持つことに成功したものの、パリーはホームレス狩りの若者らに襲われ重傷を負ってしまう。
ジャックは、パリーを元気づけようと、パリーの妄想している聖杯を盗み出す。パリーは元気になる。

ということで、ジャックはDJに復帰した。ところで、パリーはどうなったのだろう。途中で、早送りにしたのでわからんけど。まさか、ホームレスのままじゃないだろうな。

ヤッピー、若くして成功して金持ちになった人。パリーは、ヤッピー殺人事件の被害者、ということは、パリーは、ヤッピーだったわけだ。
bluetokyo

bluetokyo