10年後の香港を描く「十年」は2025年設定だったが、本作はその百年前。
昨今ストライキもサボタージュも身近な言葉では無くなっているが、雇用形態の変化や安い労働力の利用方法が巧妙に張り巡らされているだけだろう。
私の仕事環境で言うと、直接の絡みは無いがバングラディッシュ生産が増えており、もはやコストの内訳が計算できないような安価な仕入れ値に世界中からオーダーが殺到している。
いくら働いても生活の向上なぞ求むべくもない労働者の生活環境は推して知るべし。
最近もストライキのニュースが飛び込んできた。
ただ、搾取する立場の我々としては、"賃金アップなんて、生産レベルの上昇に見合ってないからね〜"などと会社の喫煙室でボヤいているわけだ。
かつて香港から中国生産をハンドリングしていた時も労働環境の劣悪さは充分分かっていても、時には安価を売りに商売して机上の粗利を電卓で弾き出していたのだ。
閑話休題
一人の青年へのあらぬ嫌疑と彼の絶望に端を発したストライキ。
統一された意思で勝利を導く話だと思っていた。
群衆の質量に圧倒され、並行線を辿る労使の思惑の相違、遂に暴発する残虐行為。
脳天に"1t"と書かれた鉄塊が落ちてきた。
2019劇場鑑賞3本目