4月7日はフランシス・フォード・コッポラ監督の78歳のお誕生日です。
おめでとうございます!
想像を絶するアクシデントの連続で「映画とは狂気なるもの」を体現し、その狂気がスクリーンを通しても滲み出てくる戦争映画の傑作「Apocalypse Now」
製作ドキュメント映画「Hearts of Darkness」ではその撮影現場の地獄具合が窺えますが、
特に後半のカーツ大佐との対峙以降はそんなこんなも相俟って、陰影の奥底より混沌とした精神状態が伝心してくるかのよう。
本作を定期的に観たくなるのはそうした狂気に触れつつも、劇中にもあるように「自分の中にある2人の人間」を見つめたくなるからなのかも知れません。
まだ10代の頃に初めて観た時は序盤の空爆シーンに沸き立ち、逆に後半は意味が分からなさすぎて困惑した思い出も。
特別完全版ではベトナム戦争の狂気を通して、欺瞞に満ちたアメリカの実状を色濃く映し出しており、
川の遡行と比例して祖国を喪失していくウィラード大尉は、謂わば狂人カーツ大佐にもなりうることを辛辣に描いています。
The Doors「The End」、ヘリに焼かれるジャングル、遺跡、戦闘モードのウィラード大尉。
そのイメージはラストとオープニングをメビウスの環のように繋ぎ、再び地獄の無限ループへと我々を誘うのです。
そういえば数年前に社会現象になった村上春樹のベストセラー小説「1Q84」では、
青豆が教祖を暗殺しに行くくだりでかなり本作のオマージュがなされていましたね。