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青いパパイヤの香りのmiiのレビュー・感想・評価

青いパパイヤの香り(1993年製作の映画)
3.7
「青いパパイヤの香り」
青いパパイヤは まだ成熟していないムイ。
パパイヤの瑞々しい香りを嗅ぐように
彼女の魅力を画面から感じ取ってください という事でしょうか。

1951年 ベトナム サイゴン
使用人としてやって来た10歳の少女ムイのパートと
20歳になった彼女が描かれている。

映像美(視)を偲ぶ作品でもあって 五感が刺激される。
虫や鳥の鳴き声のBGMは ヒーリング効果のよう。(聴)
暑さと湿気を帯びた空気感を感じ(触)
料理の色鮮やかさで 美味しそうな食の味わいを想像する。(味)
そして ムイの魅力を感じ取る。(嗅)

来る日も来る日も献身的に家事をする姿は
彼女の汗までもが美しく感じられる。
粛々と真面目に生き 眼の前にある生の息吹の歓びを感じ取り
心豊かな生活に繋がっていく。
かくして 彼女は恋い焦がれた人の心をも動かします。

奉公先の女主人も優しい人であったのに
苦労人でしたね···
子供たちの意地悪や蟻殺しは 父親による家庭環境からくるものだとは分かっても
原因のあの父親!
あの家の男には 因縁でもあるんじゃないかしら?

これらは少女との対比で ムイの存在が際立っていたように思います。

「どんなに水が渦巻いても桜の木は凛として佇む」
この締めの言葉も 説得力あるものでした。
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