原題も邦題も単語だけ見るとまったくニュアンス違うけど、どちらもすごく良いタイトル。闇をさまよう兄弟2人が光を求め苦しむ姿をどストレートに描く。
幼少期のある出来事から兄弟が心に自責の念と闇を抱えたまま大人になった。
トラウマを抱えながらなんとか頑張って生きていく!というような後半にかけてハッピーになる映画だろうと思っていた。邦題が「光のほうへ」だし。
でも原題は「Submarino」、潜水とか潜るという意味と水に頭を突っ込ませる拷問を意味するそうだ。
ホントはまともな人生送りたいに決まっている。でも、どこか諦めに似たというか、前向きになろうとしてもそう簡単に変われない人間のダメな部分を包まずに丸出しに描いてる。
程度の問題はあれど、人間誰もがダメな部分は見過ごしたり、うまくかわしたり、うまくつきあって生きていくもの。
だけどこの映画ではそんなことはほとんど描かずひたすら堕落していく様を描いてる。
一見フツーの人間に見えるけどそんな人間も一人ひとり闇を抱えている。それをダイレクトに描いてる気がする。
愛情に飢えてた子供の頃、成長してからも愛情を探してる。見つけても自己の闇の部分との葛藤。
どうにもこうにも不器用すぎる…。愛情、救いを求めて光のほうへ。水中をもがく。原題も邦題もどちらも的を射ている。
ラストにほんの少しの光は見えた気がするけどとにかく暗い。
面白いというには程遠いけど、これはとてもよかった。