アラサーちゃん

最高殊勲夫人のアラサーちゃんのレビュー・感想・評価

最高殊勲夫人(1959年製作の映画)
4.5
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〖最高殊勲夫人〗
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とある披露宴会場では、野々宮家の次女梨子と三原家の次男二郎との結婚式が執り行われていた。奇しくも各家の長女桃子、長男一郎も夫婦であり、周囲の関心は三女杏子と三男三郎の色恋話に移っていた。社長夫人として夫すら支配する女傑の桃子は、妹と三郎の縁談を画策するものの、その意図に気づいたふたりは姉の"世界征服"の陰謀阻止を目論み、『自分たちは絶対に結婚しない』と誓うのだが…
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好き〜💓
もう、めちゃめちゃ好き〜

きっと楽しくて可愛い作品だろうなと思ってたけど、期待値をゆうに超えてくる素晴らしいラブコメ。
こういうほっと出来て、観て疲れない映画ってやっぱり娯楽の真髄。
恋愛映画好きな人とか、古い映画に馴染みがなくても絶対心から惹かれると思う。これは一度は必見の価値アリですよ。

お互い気になっているのに、ガールフレンドの存在や、したたかな姉や兄の存在や、横恋慕してくるおじゃまむしの存在で、まったく通じ合わないふたりのベクトル。
観ている人にはそれがわかるからもどかしい。
でも、ちゃきちゃきとした雰囲気、快活なテンポ、溌剌とした登場人物たちの表情や言葉にあったかい気持ちになる。

のらりくらりと男性陣をかわす箱入り娘の若尾文子も、
気になるのに気にならないふりして口尖らせる川口浩も、
いちいちチャーミングでくすっと笑えて愛おしい。
そのふたりのくすりとしちゃう告白シーンはベスト。
素直になれない主人公たちといい、ちょっぴり儚くて憎めないお父さんといい、こういう、外国人にはできない日本人らしいコメディと愛らしさを醸し出せるのが素晴らしい。大傑作👏

ジャケットにもなっているこのワンショット、好き〜
(彼氏できたらこれやりたい)
(永遠に叶わなそうな遥か彼方にある願望)

日本版『アパートの鍵貸します』みたい💓

古き良き時代の東京の風景。ビジネスガール。赤電話。
昼休みはデスクでめざしを焼いて(!)、屋上でバトミントン。
結婚に男も女もメラメラ燃える商事会社で、やのあさってまで夜ご飯デートの予約したり、父親とご飯食べているところにお邪魔して結婚を申し込んだり、ふたつのプロポーズの返事の締め切りをかわしたり、こういう時代の恋愛って奔放で大胆でガッツリしてるんだなーってそういう意味でも楽しかった。

若い若尾文子もピチピチつやつやしていて可愛いのだけど、相手役の川口浩も、飄々としていて爽やかで、経営者一族のくせに好みが庶民的で優しい。なんやかんや世話焼いてくれる。とてもいい。好き。顔好き。
大映映画ブームが来そうな予感😳