全体的に静かで淡々としているが、ただ単調なだけでなくストーリーに緩急があって飽きずに見られる。父の看取りのため久しぶりに集まったぎこちない三兄妹と、移民の三姉弟の対比が素晴らしいのだけど、その登場も比>>続きを読む
敬愛するアガサ・クリスティの舞台をモチーフにしたサスペンスコメディ。どことなくウェス・アンダーソンへのオマージュを感じさせる。映画好きが心躍るキャストの割にはミステリーの質も映画全体の作りも安っぽさを>>続きを読む
衝動を追い風に全力疾走ができるのは愛だけだよね。
70年代アメリカって、スクリーンに流れるだけでどうしてこんなに魅力的に映るんだろう。
景色も、ファッションも、目に映る色合いや質感すべてがおしゃれで>>続きを読む
「ブレイン」の異名で世間をにぎわせる謎の男。脱獄に成功した青年とその相棒のタクシー運転手。はたまた、「ブレイン」に一泡吹かせようと画策するマフィアのボス。四人の男たちが、列車で輸送される巨額の軍事資金>>続きを読む
謎解きとして観客を引き込む面白さにくわえて、ラストまで見たときに全体的なつくりの面白さに唸らせられる。ははあ、と思わずにはいられない。どんでん返しではないけれど、二転三転する物語の展開に、真実を解き明>>続きを読む
相変わらずの可愛らしい世界観。洋は字幕派だけど、スクリーンに映し出される動くアートを目で追っていると、ついうっかり字幕を読み飛ばしてしまう。要注意。
物語の舞台は「フレンチ・ディスパッチ」という架空>>続きを読む
圧倒的なリアリティ。繊細であり大胆で、儚くも凄まじい、ものすごい熱量の映画だった。
舞台は紛争下のボスニア。東部の街・スレブレニツァは国連施設がありながら、セルビア人勢力によって陥落。イスラム教徒で>>続きを読む
ウディ・アレンお得意の難物な主人公。ウィットに富み、それでいて哲学的な登場人物たちの会話は一瞬たりとも聞き逃せない。どんな相手との掛け合いも、きいていてついくすっと笑える相性の良さ。落ち目の大女優・ヘ>>続きを読む
私が珍しくドはまりできた長編SF。これまで「スターウォーズ」だったり「ロード・オブ・ザ・リング」だったり、はたまた「ハリー・ポッター」だったりと、結構なSFおよびファンタジー系統の壮大なスペクタクル映>>続きを読む
とりあえず、ビール飲みすぎでしょう、あんたたち。
「この国で必要な言葉は、『メクチュ・チュセヨ(ビールください)』と『サランヘヨ』」と冒頭でオダギリジョーが口にする通り、登場人物はあらゆる場面でビー>>続きを読む
17歳シリーズに弱い私。かねてから「17歳」っていう存在の、はかなげで、危うくて、繊細な美しさを信じてやまないのですが、今回もまた良き「17歳」が誕生してしまいましたね…
望まぬ妊娠をしてしまった1>>続きを読む
現代のミュージカル映画は「ラ・ラ・ランド」に代表されると思っていたけど、よりいっそうニューエポックなミュージカル映画の到来という意味で言えばこちらに軍配が上がるかな。とはいえ、どちらも好みの問題で、も>>続きを読む
「きっと苦しいと思うんだ、まだ生きている人を悼むのは」
「君を忘れていく僕を、君に記憶させたくない」
鑑賞前に予告をよく観たおかげで、少々期待値をあげすぎたのか軽い肩透かしを食らいましたが、めちゃめ>>続きを読む
「不幸な人間が三人いた。いまは、それがひとりになっただけ」
美しい詩の朗読と、美しい入り江の風景。私好みの静かで繊細なイギリス映画らしく、とにかく美しい映画だった。
イギリス、シーフォードには「ホー>>続きを読む
出会いと別れの尊さ。
車内で寝食し、老体に鞭打って労働する。季節が変われば車と共に住処を探し旅に出る。「ノマド」と呼ばれる彼らの生き方を、雄大な自然の映像のなかで丁寧に描く。とても儚く、美しく、そし>>続きを読む
ミシェル・ルグランの特集上映で、「女と男のいる舗道」を鑑賞する。監督はジャン・リュック・ゴダール。久々にゴダールの作品を観て思い出すが、私は確かにこの人の作品が得意ではなかったし、どうしてそう思うかっ>>続きを読む
あの頃、五歳の彼にいったい何ができただろうか。
予備知識を一切なしに鑑賞する。作品の主な舞台は台湾。白にも黒にもなれない、日本人なのか台湾人なのか自分自身がいちばん誰かに教えてほしい主人公の燕が>>続きを読む
感想メモです
why are you creative?
その答えが違えば答えの捉え方はまるで違う
「クリエイティブ」という言葉の
ルーツや起源をこたえる
きっかけをこたえる
理由をこたえる>>続きを読む
どんなに旅を続けても、決してたどり着けない場所がある。
誰しもが通りすぎる、それぞれにある「過去」という場所。
たとえば「過去」に夢を忘れてこようと、罪を置き逃げしてこようと、わたしたちは>>続きを読む
作り手の熱量が伝わってくる映画というのは、大いに見応えがあるものだ。その熱が強すぎるあまり、受け手を置いてきぼりにしてしまうことも少なくないが、それに陥ることなく、観る者をぐいぐい引っ張っていく作品は>>続きを読む
上京して半年の大学生・杜崎拓は、最寄り駅のホームで高校時代の同級生である武藤里伽子によく似た女性を見かける。同窓会のため高知に帰省する道中、彼女への想いを噛み締めながら、彼女とともにあった自身の高校時>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
ちっぽけな革命家と、鼻の長い思想家の、こんな寓話。
「ブラック校則」は、映画とドラマ、更にはHulu版とどれにとっても伏線の多い脚本ではあるが、実際に映画を観たところ、ドラマ版からの伏線はほぼ見受け>>続きを読む
まるでLGBTの映画でもはじまるのかというようなにおいの危うい映画だった。スリラーかといえばそれほどスリラーを感じることもなく、とはいえ奇妙な違和を覚えずにはいられないサスペンスだった。
なにかが違>>続きを読む
1971年のブエノスアイレス。女の子みたいに美しい容貌の、ひとりの少年。彼は避暑地の夏の風景みたいに爽やかさを振りまきながら、信じきれないような穢れをその軽やかな清爽の下に隠し持っている。母親にも、父>>続きを読む
時々、なんてことないささいな言葉がとてつもなく重く響く瞬間がある。
オープニング、映し出されるのは薄ら汚れたストリート・チルドレン。彼らは、慣れた手つきで煙草を吸い、狂ったように落ちたガラスを割り砕>>続きを読む
法廷映画かと思ったけど、女性差別の時代に強く生きた女性の夢と葛藤を描いたサクセスストーリーという感じでしたね。
正直、法廷ものを観るときの楽しみって「スカッとジャパン」を観るときのような爽快感だと思>>続きを読む
やっちまった!
よく内容調べもせずにあらすじ一行めだけ読んで「戦争ものか~最近観てないな~観よ!」って選んじゃったから観てびっくり(*´-`)
ホラーやん(*´-`)
ホラーも嫌いじゃないけど、心の>>続きを読む
間違えて持って帰ってきてしまった友だちのノートを、友だちの家に送り届けようとする少年の映画。それだけの映画。
なのに、素晴らしい。おもしろいとかじゃなくて、ただただ素晴らしいのね。
ノートを送り届>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
前日に映画の選択を大コケしてしまったばかりに、きょうはかなり満足できました。
クレジットから始まり、都会の喧騒からのオスロの庁舎爆発。
そして、鳥のさえずりや葉っぱのざわめき、川の流れという自然音に>>続きを読む
ちょっと期待はずれだったなぁという感想。
めずらしく評価低く、好きなこと書いてるのでこの映画お好きだったかたは読むの気を付けてくださいね🙇
プロットもいいし、描きたいことの熱量はものすごく伝わって>>続きを読む
「第二の人生」の陽と陰。
猫好きの猫好きによる猫好きのための最強の猫映画なんだろうな、と思って映画館に行ったはずなんだけど、思いの外、おじいちゃんおばあちゃんが抱えるいろんなものを垣間見ることができ>>続きを読む
この映画に見るフランク・キャプラついて。
まずはこの映画は「或る夜の出来事」の友情版といえるんじゃないかな。
どちらが右と言えばどちらかが左と言う、どちらかが赤と言えばどちらかが青と言う。そんな反>>続きを読む
家族からアリスに贈る、ラブレターのようなお話。
「still Alice」っていま考えると、とてもすてきなタイトル。「アリスのままで」「どうかアリス、すてきなきみのままでいて」っていう愛にあふれたタ>>続きを読む
憎しみが生んだ暴動もあれば、愛にあふれた暴動もきっとある。
パキスタンの自然豊かな村でのびのびと育った六歳の少女。声がでないことを気に病んだ少女の母親は、彼女をインドの寺院に連れていくが、その帰路>>続きを読む
とてもよかったです好きでした。
前作が大好きなので、その世界観が壊れちゃうんじゃないかと危惧する部分もあったんですが、ぜんぜんそんなことなかったです。
半世紀前の作品ですが、オリジナル本来の良さと現>>続きを読む
クリント・イーストウッドがスクリーンのなかにいてくれることに拍手。
実話を元にしたお話だということで、どこまでが事実でどこからがフィクションなのかよく知らないままレビューするのでぺらっぺらな文章に>>続きを読む