「父ありき」よりさらに10年近く前の作品。
戦前のサイレント映画。Amazonでは弁士付きで観ることができます。
こーゆー配信はありがたい!いいぞ、アマプラ!
古い作品も結構入れてくれている。
ちょっと見つけにくいところに、隠れた古い名作を発見するのも楽しいな。
小津安二郎監督。日本を代表する大監督!
戦前は撮影ペースが早いので、1927年監督デビューから6年で、既に本作までに20本以上撮っているのです。
本作も手慣れているというか、
前レビュー「父ありき」に続き、小津作品はかなり観ているけど、
「東京物語」と同じくらいに、本作は
小津映画の中でも、1番好きな作品です!
とにかく、突き抜ける感じのラスト
貧しさやその日暮らしの強さとしなやかさかここにある気がします!
画面を見ずに弁士の声だけ聞いていた妻が
「なんか寅さんみたいなお話だね。」て言ってたけど、
まさに、松竹の伝統を山田洋次が見事に受け継いで、広めたのが「寅さん」なんだろうね。
坂本武さんが演じる「喜八」役。これも
「寅さん」と同じように、役名が一人歩きして、小津さんの他作品でも「喜八」役が何本か続き、「喜八もの」というシリーズになっていったようです。
本作は、ストーリーも実に素朴で、
今考えると、大したことは起こらないような、のんびりムードで進むけれど、
ラストに向けて、波乱の、スリスリングな、、盛り上がりを見せます。
映画の教科書、
終盤の盛り上げと、ラストの締め方が
とても重要なことが改めて分かります。
前レビューの「父ありき」の父・息子関係と比べると、
数年経っただけなのに、ずいぶん描ける関係が違ってきているのも、
とても興味深いですね、、。
サクッと観れるし、弁士の語りも楽しいので、冬休みに向けて、ご家族で観てもいいなって思える一作です。