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惑星ソラリスの盆栽のレビュー・感想・評価

惑星ソラリス(1972年製作の映画)
3.5
関心が幸せを生む


 アンドレイ・タルコフスキーの名を世に知らしめた名作SF映画。この作品の攻撃力があまりにも強すぎる。インパクト的には初めて『2001年宇宙の旅』を観た時の感覚に似ています。映像の美しさ、難易度が高いストーリー、必要とされる極限の集中力。何度も戦わなければ(観なければ)ならないSFがまた増えました。

 総じて本作のテーマは「愛」であることはたしか。ただしあまりにも歪で、不自然に描くからこそ理解不能の域に達しています。更にはストーリー全体がスローテンポであるため、165分の長尺を耐えるのは至難の業。この手の作品は映画館で観なければいけません。寝なければの話ですが…

 話は難しいけど、ショットの綺麗さは職人レベル。水、植物、火、空気。全てが生き生きとしている。たしかに"神秘的"という言葉がピッタリかもしれません。タフコフスキー作品では定番らしい人体浮遊シーンも少しではありましたが、画としてはインパクト大です。

 全てが繋がる「惑星ソラリス」の正体、急にテイストが変わるラストなど、終盤の畳み掛けは素晴らしい。ただどうしての中盤は長く感じてしまったのが本音です。何度も何度も観て、理解を深めてから再評価したくなる一本でした。

2024.5.17 初鑑賞
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