のほほんさん

呪われたジェシカののほほんさんのネタバレレビュー・内容・結末

呪われたジェシカ(1971年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

怪談調とでも言うのだろうか。
古いお屋敷に不気味な過去。浮世離れした少女。

元々精神的に病んでいたジェシカの妄想だと片付けられる感じもありつつ、意外とその妄想の産物と思われるものが現実として夫や友人と共有されたりするのが面白い。
屋敷に住みついていたエミリーは本当の人間だし、今度こそ幽霊だろうと思われた少女もやっぱり本物。

全体的に演出が、虚仮威さないのだ。
それでいて様々な音が、不穏さを常に感じさせる。

結婚式の前日に溺死したらしい、屋敷の住人だったアビゲイルにそっくりなエミリーと少女。ジェシカを除けば唯一の女性である2人は、段々と幽霊めくエミリーと、幽霊に見えて現実の人間である少女と、とにかく現実と非現実の境目にいる。

最初はよそ者に冷たいだけかと思われた町の住人たち、どういうわけかおっさんしかいないのだが、みんながみんなどこかに包帯を巻いている。実は皆、一様にナイフで切られた傷を持っていた。

ニューヨークに住んでいたという骨董屋は死体となっていたはずなのに、やっぱり傷を作って再登場。
ということは、街のおっさん達はみんな幽霊なのか?
エミリーと関係を持ち、そして死体となった夫と友人は、やっぱりこの後おっさん達と同じ道を辿るのか?


しかしそうすると、なんで幽霊少女はおっさんばっかり幽霊仲間にするんだろ?(笑)
生前女の人と何かあったのだろうか?

驚かす的な演出がなくて、最初から最後まで現実か非現実(劇中の言葉でいうと悪夢)がはっきりとしない、ある意味では消化不良だけど、かなりユニークな作品でもあった。