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深夜の告白のkarmapoliceのレビュー・感想・評価

深夜の告白(1944年製作の映画)
4.0
Double Indemnity:ビリー・ワイルダー監督、脚本、レイモンド・チャンドラー脚本、フレッド・マクマレイ、バーバラ・スタンウィック主演、ミクロス・ローザ音楽、1944年作品。原作はジェームズ・M・ケインの小説「倍額保険」。

保険会社勤務の経験を持つジェームズ・M・ケインが、1927年に実際に起きた保険金殺人事件「ルース・スナイダー事件」をベースにして執筆した小説。映画は倒叙型サスペンスのスタイルを取りつつ、フィルム・ノワールの古典としても評価の高い作品になっている。

久しぶりの再鑑賞。昔観た時は強力な吸引力があるものの、わりと普通のサスペンスのイメージだったが、おそらく2度目でかなり好きなタイプの作品になった。保険金詐欺のサスペンスはこの時代からあったのか・・・・。というかこの作品も後のサスペンス映画の範の一つとなっているのだろう。

主人公ウォルターの告白から始まるので、結論が分かっているのに、なぜ?どうしてそうなった?と次なる展開に惹きつける脚本の妙。危険なムードたっぷりのヒロイン役のフィリスの悪女ぶりにも惹きつけられる。ウォルターの仕事仲間の保険調査員キーズ やもう一人のヒロイン役のローラも魅力的で脇のキャラクターも充実している。

スーパーでウォルターとフィリスが密談するシーンやラストのたばこのシーンが特に印象的。原題のDouble Indemnityの意味も良く分かる。また観たいと思う。
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