前回、悪霊ケイン一味を粉砕したのに続編どーなるんだよ？
そして、今まで郊外の一軒家だったのに、高級高層タワーマンションの一室に佇むキャロル・アン。何がどうなるのか想像つかないよ笑
訳あってシカゴの叔母夫婦に預けられた、キャロル・アン。
叔母ナンシー・アレンで叔父がトム・スケリット、３作目の意気込みかグレードアップなキャスティング、期待が高まる。何か新展開があるのかと。
しかし、襲ってくる悪霊、死んだというか、倒したはずのケインなんだよ笑 相変わらずキャロル・アンを先導に光のなんとかに行きたいらしい。他に方法ないのかよ笑
計らずも前作のレビューでケイン、ファンタズムのトールマンに似てると言ったけど、物凄い力持ってるのに延々子供に執着するとこまでトールマンと同じだな😂結果的にファンダズム・シリーズ化したな笑
しかし、今作はやはり今までとは違う。当然、キャロル・アンの争奪戦になり、家族愛が鍵となる戦いに突入するんだけど、狂騒、ディスコ路線を放棄しちゃってるんだよ。これは残念。舞台も大都会になったし、全体的に別物感が強かったな。
今回のケインの攻撃、妙に幻覚重視とクールネスな不気味さで攻めてくる。地味な視覚トリックみたいなのが多い。
アゲアゲな狂騒がセーブされ、何が真実か分からなくさせて精神的に追い込む感じ。
このクールネスと精神崩壊に重きを置く演出。監督のカラーなんだと思う。昔は分からなかったけどクレッジト見たらゲイリー・シャーマンなんだよね。
シャーマンと言えばゾンビ映画の古典の１つ、ゾンゲリア撮ってるんだよ。ゾンゲリアもゾンビ映画の中でも圧倒的にクールな画質で異彩を放ってた（なんか青っぽい画質にするために特殊な方法で撮ったらしい）、そして内容も一人の男が実存不安に襲われるストーリー。
シャーマンにとってポルターガイスト３はステップアップのチャンスだったと思うので色々気合い入れて撮ってる感じなんだけど、これがあんまポルターガイスト・シリーズに合ってない気がした。何より今までのリズムと違い過ぎるんだよ。
ケインからキャロル・アンを守るために戦うのが叔母夫婦なんで、スパッと殺ってやる！モードならないんだよね。この夫婦は一連の出来事を疑ってて、キャロル・アンのこと信じてないんだよ、メンタル的に痛い女の子だと思ってる。
だから、危機を忠告する我らがヒーロー、最強のおばちゃん霊媒師タンジーナのことも胡散臭いおばさんだと思ってなかなか信用しないんだよね。
この辺のやり取りが陰湿でギスギスしてて見てていやになる。おれなんか完全にタンジーナのファン（タンジーナー）になってるからタンジーナに向けられる不信な目と暴言にムカついたよ笑
そんな感じだった叔母夫婦も自分の子供が巻き込まれてケインに囚われたとこで、タンジーナを受入れ、よーやく戦う決意を。
いつもならここから怒涛のアッパー・ディスコ・バトルになるんだけど、今回はそうはならない。
ケインのあまりに奸智に長けたいやみな攻撃（意図不明なものも多い）に振り回され、叔母のナンシー・アレンが壊れる。自分の子供だけ助かったとたん、「あの子は家族じゃないんだし、放っておけばいいんだわ」「わたしはもういやよ！」
ここは驚いた、ナンシー・アレンの方がキャロル・アンと血が繋がった姪なんだよ！それに家族愛がテーマのポルターガイスト・シリーズにそぐわなすぎる展開だし笑
でも、この時のナンシー・アレンの演技の冴えは素晴らしい。ナンシー・アレンと言えば一般的にはミッドナイト・クロスだけど、キャリーでキャリーをエグく痛ぶるいじめッ子の一人だからね。なんか非人道的なセリフが似合うんだよ笑 顔もキツめだし笑
で、そんなアレンもすっかりタンジーナーと化した旦那に諭され、ケインと対峙することに。
そして、このバトルもいつもと全然違う軽く脱力すら覚える展開で決着する笑
まあ、ハッピーエンドなんだけど、えっ？マジかよぉ、てなる笑
だっていつもの家族愛的なこと全然関係ないんだもん。でも、シリーズ通して観てタンジーナ・ファン（タンジーナー）になった人ならむしろありがたい結末と取れるかも笑
シリーズ最終作なんだけど、過去作の良さやテーマを見事にぶっちぎってしまった怪作だね笑
監督も野心もあって頑張ったと思うけど、作品と持ち味が合ってなかったし、撮影中にキャロル・アンが亡くなって構想が崩れ不自然な終わらせ方しかできなくなった。マッチングの悪さと大きな不運に見舞われながら作ったと思えば、腹も立たずに観れる出来かな。
シリーズ通して観て思ったけど、キャロル・アン役のベザー・オルーク、本当に演技力あるなと思った。ドリュー・バリモアやクリスティーナ・リッチみたいな際立った個性はないけど、等身大の可憐さを過不足なく演じてて。
大人になって上記の二人との競演とかも観たかったな。亡くならなければ二人以上の女優になったと思う。
