これ以上の映画はない
主人公のトゥルーマンは生まれたときから結婚、社会人の現在までを超巨大スタジオに再現された街のなかで過ごしている
もちろん他の住人は全てエキストラで奥さんや友人もすべて役者だが、トゥルーマンはそれを知らない
ある（撮影）日、突如トゥルーマンの目の前に幼い頃目の前で（ストーリーの都合上）死んだはずの父親（役）が現れて...？
この映画のキモ、実は主人公の一生は作られたものでした！という並みの映画なら最後に持ってくるような設定をなんと冒頭に使う
まるで番組の制作秘話かのように
随所の番組的な演習も楽しい
急に奥さんが使っている家具を一点を凝視（カメラ目線）しながら事細かに解説しだしたり（宣伝）、トゥルーマンのブルーな気持ちを演出するために彼の直上にだけ雨を降らせたり
街の外に行かせないため、やれ自己が起きただの渋滞が起きただの非常に不自然で滑稽な演出の数々
ある種の外連味、お約束のネタでありながらこの映画でしか出来ないネタなのだ
ラストはちょっぴりの不安と偉大なる勇気、【番組のお約束の台詞】で締め括られる
なんと映画的で映像的なのだろうか
惚れ惚れするほどの外連味である
『フォレストガンプ』が近いとも言えるが、笑い・怒り・悲嘆・感動、映画の構成要素が全て入っていながら団長ではなく退屈もダレたりもせず、新鮮な気持ちと安心感で見ていられる
この映画の右に出るものは、少なくとも私の中のでは存在しない
