とうるうまん

事故物件 恐い間取りのとうるうまんのレビュー・感想・評価

事故物件 恐い間取り(2020年製作の映画)
2.0
エンタメホラーここに(悪い意味で)極まる!

主人公は売れない芸人、とある番組のプロデューサーから芸人人生最後のチャンスとして事故物件に住む企画を任される彼の身に起こる怪奇現象とは…


もし『リング』のような不安感や、『エクソシスト』のような直接的な、『エイリアン』のようなパニックを求めるなら、本作は大きく期待を裏切るだろう

勿論怖いところがないわけではないが、ホラーとしては全体的にエンタメに寄りすぎている

所々に挟まれるヒロインとのいちゃこらは堪らなかった
映画には緩急が必要であり、ホラーはよりそれがもとめられるが、効果的だったものは部屋に入った瞬間気絶するシーンくらいで、おっとっとと覆い被さるベタベタのシーンは反吐が出た
特にシャンプーの件は共に視聴した友人にしかめ面を向けてしまった

CGも実にチープ
肩に浮く髪の毛も然り、黒幕的な霊の初登場シーン、霧散して消えるさまがさながら物理攻撃の効かないボスキャラのようだ
やはりといったところか、線香のCGは圧巻の出来であり、撃退シーンではさながらファイナルファンタジーやドラゴンクエストの様相だ

スローにしても聞き取れない霊の声には、視聴者がよくわかっていないのに勝手に登場人物にストーリーを進められてイライラするし、カップルが変死するという触れ込みの部屋で、冷蔵庫の中で凍らせた厚焼き玉子を齧っている霊などは驚嘆の一言
変なキャラに変に属性を詰め込み説明や匂わせは一切無いお祭り感

ある意味では面白い映画となった今作
見ていてイライラする映画ということで、演技力と最低限のストーリーライン以外は『デビルマン』を彷彿とさせる珠玉の一品だ