とうるうまん

スイス・アーミー・マンのとうるうまんのレビュー・感想・評価

スイス・アーミー・マン(2016年製作の映画)
4.0
細かいことなど気にするな!
心動かされるならいいじゃないか!


無人島にたどり着き孤独に死のうとしていた主人公の前に、流れ着いた死体が現れる
奇妙な出来事で島から脱出できるが、ついに死体が喋りだした
主人公はと喋る死体は文明社会へと変えれるのか

主人公は「逃げ」ている
現代社会の重圧と、それに立ち向かわなければならない自分から
死体は無垢で、これはなに?それってどういう意味?と質問しまくり、その少ない語彙のなかから無垢ゆえに真理を突いてくる
こちらにとってもうーんと思わせられる

それより大事なのは主人公と死体の掛け合いだ
上記の無垢による会話だけでなく、死体の不思議な力、死体に過去を思い出させるための主人公の奮闘、ジュラシックパーク...
これは主人公の過去を死体に疑似体験してもらう過程上、主人公自身も過去と向き合うという意味があるが、そんな細かいことはどうでもいい
ラストにいたるまで、そんなことはどうでもいい

ダニエル・ラドクリフが娯楽大衆映画こそ本当の映画(意訳)と言ったように、設定を突き詰めて、テスト採点が如く穴が開くまで見つめるのではなく、娯楽作品として楽しむべき映画だ