とうるうまん

窓ぎわのトットちゃんのとうるうまんのネタバレレビュー・内容・結末

窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)
1.5

このレビューはネタバレを含みます

ノンフィクションの自伝にこういうことを言ってもしょうがないし的外れではあると思うが、あまり全体に起伏がないし、いい意味での裏切りもない。
絵本のようなミュージカルのような演出はそれぞれに制作スタジオが別れていて、一つの映画でいろんな表現が見れて楽しいが、特にストーリーに影響するわけではないのでただの演出。キャラメルの出ない自販機や駅舎のおじさんがいなくなってしまったシーンは子供目線の静かに変わりゆく戦争の日常への影響を映していて良かったが、それ以外は弁当がどうとかひもじいとか悪く言うとありきたりで使い古されたもので、ハイハイという気がする。
終盤泰明ちゃんが死亡する関連があるが、唐突に死んで葬式なので「は?」と置いてけぼりにされた。原作でもそうらしいのだが死因は明言されない。一説には小児麻痺の影響のようで、ヒヨコのシーンが挟まれることで子供目線の死、体が弱かった件が示唆されそういうのが理由なのかなとも思うが、小児麻痺の影響が腕と足の麻痺くらいしか描写されておらず、本来は呼吸器系に影響するという事前知識がなければ本当に「こいつこのストーリーラインと演出的に死ぬな」くらいしか情報がないため、「お涙頂戴のために大切なお友達が死ねば客は泣くだろ」感がすけて見えるようで、周りで泣いている人のおかけでより作品に感情移入できなかった。お話のために意味もなく子供が死んだように思えて腹立たしかった。
終わり方もぶつ切り感がすごく、青森に疎開しましたではあまりにも途中感がすごい。
勿論私がひねくれているだけなのは重々承知だが、映画単体として見ればこれよりストーリー的に優れている作品は山ほどあると思うので、自伝としてはともかく、1映画作品として見れば世間一般の評価よりよほどいい映画がたくさんあると感じた。