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オテサーネク 妄想の子供のB子sのネタバレレビュー・内容・結末

オテサーネク 妄想の子供(2000年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

シュヴァンクマイエルさん、流石です!
今回もうちなるドロドロを解放したような映画。

私の中の神作品、アリスはやっぱりめちゃファンシーで超可愛い作品なんだと改めて思った。(ヤン作品の中だと。)


まず、出てくる人物がほぼ近寄りたくないタイプ。
少女はパケ詐欺で、本編ではあんま可愛くない上に、洞察力半端なくて賢いサイコパスという愛されないキャラ。
なのに涙はとても美しく撮れている。

赤ちゃんはパンズラビリンスの木の根っこみたいの想像してたら、斜め上すぎてすげ〜キモかった。
序盤、色んなものを赤ちゃんだと錯覚するっていうシーンが結構出てくるのに、
いざ「我が子」を手に入れたら
もうずーっと木。変な木でしかない。
ヤンさん。。あんまりだよ。
だがしかし、人間の赤ちゃんシーンが増えたところで、ヤンさんのことだから、最凶トラウマ映画と化する可能性が。
赤ちゃんショット連続のオープニングからもう不穏だもんな。
きっとそうなってただろう。。

超美人の奥さんがどんどん顔色悪くなってるのが居た堪れなかった。
授乳シーンは聖母のよう。
あれはちょっと意識してるよねー。

夫も最後、妻の狂気に寄せられてか情けを見せてしまうあたり、
お前も手を洗えるようになったのか…!
ってな感じで成長に感動したのかな?
…。違うか。
夫の姿を見て、罪の意識なく虐待しちゃう人の感覚ってこんな感じなのかな?って途中何度か思った。
だって厄介で変な木にしか見えないんだから。

私も妙な感情移入をしてしまったもんだ。

近所のクソジジイは実際マジでいがちだから厄介。ほんとマジでいる。
手を出す出さないに限らず、子供は見透かすもの。
善良なペドさん達は是非子供達に存在を悟られない様に身を隠して欲しい。
子供が意図せず大人に性的な意識を向けられる事は、この映画の様に、不快で不愉快で気色の悪いものだ。死ぬまで纏わりつく。

性や食べる事への罪悪感や卑しさ汚なさ、母性への得体の知れなさなど、
めちゃくちゃ凝縮している作品。
その感覚、少し共感できてしまう。

やんさんも自己肯定感低いのかしら??
の割に、ポップさもあるから底知れない。
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