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ラブリーボーンのgのレビュー・感想・評価

ラブリーボーン(2009年製作の映画)
3.2
雑誌”seventeen”で顔を隠しながら、
好きな男の子をこっそり見つめるスージー。
「キスはまだ?」と聞かれて焦り、
「初めてのキスは素敵」と教えてもらう。
そして淡い期待を寄せるスージー。

そんな14歳の少女、
スージーは殺されてしまう。
これから楽しいことが沢山待っていたはずなのに!恋もまだしたことがなかったのに、、!……というスージーの「生きていたかった」という想い。

そして、残された家族。
悲しさを隠すためにスージーの部屋に入らなくなったお母さん、犯人を突き止めようとするお父さん、妹、弟。家族たちの「元気に生きていて欲しかった」という想い。

そして、この二つ、「死んでしまった少女と、家族が一人いなくなってしまった家族」が恐らくこの映画のテーマ。


なのに!!!!!!
最初からず〜っと犯人が出てくる。
”最低のクズ野郎”と強調されて、毎度毎度出てくる。
そのせいで私は心のどこかでその犯人への報復を求めていくようになった。(そう、まるでデスプルーフのような)

そう、この映画を思い返すと「スージーの家族」、「スージーの想い」よりも犯人胸糞悪い」の方ばかり思い浮かぶ。そこが本筋のテーマではないはずなのに!!

だからもう犯人はとっととひっ捕らえて、ちゃんと制裁を受けてもらい、その上で家族とスージーがどう向き合っていくのかを描く、とかの方が良かったんじゃないの?と思ってしまう。


それでも、こっち側の世界と天国の狭間でスージーが見た、恐怖、美しさ、それらの映像たちはポカンと口が開いてしまうくらいに素晴らしかった。

ただ、観終わった後凄くどんよりした気分になって、けっこう引きずって、夜眠れなくなるトラウマ映画だったから、元気があるときに観るべきだとは思う。

観てる間もそこらへんのホラー映画よりもずっと怖くなったし、辛くなったし、何度も「もうだめ…観てらんない」となったので気をつけて観てほしい。
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