YasuhitoArai

インド行きの船のYasuhitoAraiのレビュー・感想・評価

インド行きの船(1947年製作の映画)
3.7
イングマール・ベルイマン監督作品。
船乗りのヨハンネスは7年振りにある港町に戻り、かつて愛したサリーと出会うが、サリーは落ちぶれていた。浜辺に一人うつむくヨハンネスは、7年前の出来事を思い出すが・・・という話。

ベルイマン自身の父親との確執が色濃く反映された作品。息子ヨハンネスへのあたりがかなり強い。自身の船に妻がいるのに愛人のサリーを連れてくる始末。
終盤の影を多分に感じさせる展開が面白かった。船板に映る親父の影のショット、ヨハンネスが潜水作業をしている時の空気を送るポンプの音が印象に残る。

画面が全体的に暗い。
海岸や、自身の人生を振り返る構成等、後のベルイマン作品で見られる要素もあった。
観ていてジャン・ヴィゴの『アタラント号』が連想された。
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