オカルトチャンピオン

ハート・ロッカーのオカルトチャンピオンのネタバレレビュー・内容・結末

ハート・ロッカー(2008年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

爆弾処理をして死亡してしまった軍曹の代わりにきたのは800発以上処理して五体満足の無敵のタイトルホルダー、ウィリアム・ジェームス。
このウィリアム・ジェームスのはなし。

班長として来たジェームスは全能感の塊で無敵、チームとして安全に任務をするために必要な手順を全く無視して、処理できればOK、おれはおれのやり方でやるぜ的めちゃくちゃ鼻につくタイプだった。
爆弾処理班は基本、戦闘部隊じゃないし、敵味方関係なく爆発事故が起きないようにやってる分、自分は他のやつとは違うって奢りがあるんだろうな。

唯一、交流があった少年が人間爆弾にされたと思ってから、人間に対する怒りや混乱が彼を襲う。
DVDを少年と売っていたおじさんが爆弾魔と内通して基地の情報流してるって深読みして、脅して街に出るけど、大して情報も取れなかったり、
自分たちの任務じゃないのに犯人を深追いして、部隊の仲間を誤射してお前の満足感を満たしたいってだけで巻き込まれてふざけんなって罵倒されたり。

明らかに焦ってるなって感じていて、イラクでの最後の任務になった爆弾を巻かれた一般人に対する処理の緊張感はヤバかった。もう無理だってくらいの巻きつけられた爆弾の数と鍵の数に最後まで諦めたくない、救わなきゃって主人公の思いも虚しく時限爆弾のリミットが迫っていき、"すまなかった、お前を救えなかった"って謝罪して逃げる主人公に今までなかった挫折が彼を成長させたんだなってわかる。

家に帰るも、ラストの再び戦場に戻る彼の姿は映画【レスラー】のようだった。
彼にできることは爆弾処理であって、家にはなかった。
たとえ死ぬとわかっていても自分のやれることをやるしかないっていう悲しい性みたいなもんを感じた。
悲しいかどうかはわかんないんだけどもね。

いろんな爆弾はあるけど、人間爆弾はきつかったな。ほんと爆弾作ってるやつは畜生だわ。

最後にアメリカのスーパーのシリアル多いって!!アメリカ人ってシリアルしか食べないの!?っていう感想。