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スキャンダルのlarabeeのレビュー・感想・評価

スキャンダル(1976年製作の映画)
4.4
【変態的エロ芸術作品】

アマプラの配信終了リストを観てたら何故か引っかかってしまい、何の予備知識も無く鑑賞。

大学教授夫人で、自分も薬剤師として薬局を経営するハイソサエティのエリアーヌ。

その薬局の雑役係として雇われているアルマン。コイツは同じ薬局で働くジュリエットと不倫していたり性にもだらしないダメ男。

そんな身分の違うエリアーヌとアルマン。ある日、アルマンはジュリエットと間違えて暗闇でエリアーヌに手を出してしまう。しかしエリアーヌはそこから徐々にバランスを崩れ始める。アルマンの虜になってしまうのだった。上流階級の夫人としてバランスを保っていたエリアーヌだったが、一旦崩壊した常識はもう戻らない。

雇い主と従業員と言う主従関係が完全に逆転してしまい、エリアーヌはアルマンに完全服従、言わば性奴隷と化していく。

多分に変態的でエロ要素満載なのだが、実は常識をまとった人も内面にはそう言う素養があり、普段は仮面を被っているだけ、と言う事が良く描かれている。

一歩間違えば単なる変態エロ映画になる所を、戦時下と言う緊張感ある設定と、役者陣の演技、そして光と影を使った映像で芸術的なクオリティも高めている。

エロと芸術、これって両立させるの技術とセンスが必要で、結構難しいねんなぁ。本作はどちらの要素も負けていません。
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