チッコーネ

スキャンダルのチッコーネのレビュー・感想・評価

スキャンダル(1976年製作の映画)
3.7
鑑賞前の予想はよろめきメロドラマだったが、観進めるに従い「ソフトコアポルノ?」という印象に変わり、終盤はパゾリーニばりのハードボイルドな脚本に、口あんぐり。
モリコーネの複数曲にヴォーカルを乗せるなど、歌手としての実績もあるリザ・ガストーニの痴態を観ながら「ここまでやる必要ある?キャリアは大丈夫なの?」と心配していたが、映画としての筋はしっかり通っており、体当たりの価値はあったと思う。後味が悪いので再鑑賞は遠慮したいが、手緩い作品でないことは確かだ。

冒頭の市街セットはいまひとつだったが、アジア風にまとめた薬局や、室内のインテリアは美しい。
店舗一体型住宅の構造が作中で重要な役割を果たす分、観客が進行の中で自然に把握できるよう、充分に配慮されている。