昔はこういう見世物小屋も色々あったんだろうな。最近は酉の市で見かけるくらいだけど。一つ所に留まれないその性質を考えれば誰が狼少女なのかは、すぐ分かるよね。観客目線で言えば。
狼少女というのは、もちろん普通の女の子がそのフリをしているだけだけど、映画の内容としては「ET」のような人外との邂逅に近い。それぞれの人生が重なった時間は短いけれど、少女の存在が主人公を含め、級友たちの関係に色々な変化をもたらしている。
あと、狼少女というのは、童話に出てくる狼少年にかかっているのかな。優しさの裏で寂しい嘘を吐き続けなければならないというところを考えるとそんな気がする。
それと、田口トモロヲの客の呼び込みの口上があがた森魚の「大道芸人」にそっくりだった。確かこの映画は函館イルミナシオンのシナリオ大賞かなんかで映画祭にはあがた森魚も関わってるみたいだから、そこから持ってきたのかもね。
王道のボーイミーツガールものだけど、だからこそ後半目頭が熱くなるシーンもあって中々良かった。なんとも言えない低予算感が昭和という時代設定にも合っていたような気がする。