困ったちゃん

にがい米の困ったちゃんのレビュー・感想・評価

にがい米(1948年製作の映画)
4.0
以前イタリアクラッシコ映画祭で見逃した悲願の鑑賞。見応えありました。

田植えの出稼ぎのため女たちが大移動する駅で騒動が起き、フランチェスカとシルヴァーナという二人の女が知り合うことに。窮地の親切心が利己心に変わるのに、そう時間はかからなかった…。

ファーストサマーウイカ似で気丈かつ薄幸そうなフランチェスカと、豊満ボディでイケイケかつエネルギーの塊みたいなシルヴァーナとの対比が興味深く、二人の行く末に一瞬たりとも目が離せず。

洋画では珍しい田植えをする女たちのシーンからは女性の生来の力強さを感じるし、精神的にも肉体的にも辛い(個人的イメージです…)出稼ぎも歌やダンス、軍の男たちの存在が頑張りの源になっているのがイタリアらしい。そして何しろワークマン女子の先駆け的な野良作業ファッションがとてもカワイイ。

そんななか二転三転する女同士、男女の関係や底なしの欲望に邁進していく展開に開いた口が塞がらない。ラストは衝撃的だったけど、手向けの米が粋だった…
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