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12人の怒れる男のみきちゃのレビュー・感想・評価

12人の怒れる男(2007年製作の映画)
4.6
※鑑賞順:十二人の死にたい子供たち(2019邦画) → 十二人の怒れる男(1957本家米国版) → 12人の優しい日本人(1991邦画) → 12人の怒れる男(1997米国テレビ映画) → 12人の怒れる男(2007ロシア版)

楽しみにしてた"12人の~"シリーズ五本目は『12人の怒れるロシア人』。未知がたくさん詰まってるロシアにはいつだって興味津々。

殺人容疑がかかった少年について、検察の有罪主張を評議・検討し、陪審員12人が全員一致できる評決をめざすという設定はオリジナルと同じ。なのに、なんというか、激動だった。ロシア的なノリを分かってない私からすると、どこから来てどこへ向かってるのか不明な論理が度々展開して、急転直下に次ぐ急転直下で衝撃的だった。メンズ12名で一室に籠って会話してたのを傍観していただけだなんてとても思えない後味。

自分語りが止まらないロシア人たちがとても面白く、どなたの語りも非常に聞き入ってしまうもので、でもなぜその話のあとに「じゃ、まあそういうことだからやっぱ俺は無罪派に変えるわ」となるのかがわからない。どういうことなん。

自分語りを聞いている他の11人は意味わかってるんだろうと思いきやたまに「で?その話がどう関係あるっていうんだい?」と質問が出たりするので「いやいや…君らもわかってへんのならこの時間て一体なんなん?!」と笑けてきた。ほんまどういうことなん。

全員の陪審員番号も名前もわからなかったんだけど、席順的には8番さんくらいの方のターンがすごかった。鼻に鼻炎の薬??をさして、その薬を眼にもさして、耳にもさしだして、鞄の中で鳴る目覚ましを蹴り続けて…。異様に万能な薬だった。ロシアすごい。

この議長さんがんばらへんなーまとめへんなーおもってたら最後にめちゃくちゃがんばるし、すごいイケメンだし、後から知ったけどまさかの監督ご本人だった。オリジナルでは触れられなかったこの事件の黒幕に踏み込んでくれたのがすごくよかった。

以下、印象的だったとこメモ。ネタバレ
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まず回収されるガラケー(2007年らしい設定追加)。
二回目の無記名投票までがちょうはやい。
投票用紙の折方に個性ですぎ問題。
ロシアにもスイカはある。
私もカフェ・プーシキンでランチしたい。
ロシア人も動かなくなった家電は叩いてみる。
「出産と小便は先延ばしできん」がなぜか大ウケ。
ロシア人の指で数字数えるのかわいい。右と左の人差し指を立てて、2。
「あんたの脳ミソにはチーズがつまってるのか?」が悪口。
ロシアのコネ社会はんぱない。
まだまだアスベストがすごそう。
ガチ劇団員の白熱した再現実験めっちゃアガった。
ナイフ!すごい!
ダイエットに成功したスズメみたいなんいてた。
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