愉快なホラーコメディである。ゴア描写はほとんどなくて、ただアホなシーンが延々と続く。
暴力に対して、爽快なまでに躊躇いがない。斬り合う前や引鉄を引く前に長々と能書きを垂れるのに比べれば、こちらの方がよほどリアルだ。おかげでストーリーがサクサク進む。
真面目でスクエアなイメージのあるイギリス人が、建前と常識の仮面をかなぐり捨てて本音を剥き出しにすると、人間はこんなふうになるのだと、妙に納得させられる。そういう意味でのリアリティはあると思う。楽しく鑑賞できることは間違いない。
思えば二十世紀はやりたい放題だったのだ。常識や大義名分を笠に着て、誰もが重箱の隅をつつくような文句ばかりを言っている現代の息苦しさを、逆に実感した。