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人情紙風船のninjiroのレビュー・感想・評価

人情紙風船(1937年製作の映画)
4.2
楽しいシーンもどこか不穏で、通して見た後には重い厭世観に包まれる。
天才山中貞雄は当時の世情を間接的に映しただけでなく、自らの運命をも予見していたのか。
映像の儚い美しさは勿論のこと、劇伴を一切つけないというアイデアも、筋書きの原典からの改変も、全てが恐ろしく成功しており、個人的には山中貞雄のベストだと思っているが、確かにこの作品が遺作とはいささか寂しい。
運命とは無情である。
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