ninjiroさんの映画レビュー・感想・評価

ninjiro

ninjiro

sweet dreams

映画(282)
ドラマ(0)

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語(2012年製作の映画)

4.5

繋いだ手の暖かさ、その余韻だけを頼りに幾つもの夜を越えて。夢の中で会った顔、靄が掛かったように見つけられない探し物、気がつけば本当にそれがここにあったのかどうかを疑う程、でも待ってて、約束がなくても必>>続きを読む

ガタカ(1997年製作の映画)

4.0

見通しも効かない鼓動だけの世界。眼が開いているのかただ空白を認識しているだけなのか。何れにしてもそれは、幸せに満たされた抱擁、この身体が感じた幸せ、満たされた日々、溶け合った世界が法則を持って螺旋状に>>続きを読む

KOTOKO(2011年製作の映画)

4.0

母と同じかどうかわからない。この街が同じかどうかわからない。でも夢を毟り取られたなら大体何処でも同じに見える。口遊む唄には一条の希望を、揺蕩う指先には安らぎを、儚きこの身体には腕尽くにでも生きる理由が>>続きを読む

ローラ(1961年製作の映画)

4.2

あの頃の夢はいつまでも覚めない。あの頃の君がどんなに変わろうとも。あの頃の僕は今の十倍大きかった。あの頃に比べたら何もかもがうまく行かない。
あの頃の私を街で見掛けることはない。あの頃に見上げた影は見
>>続きを読む

ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)

4.2

夏休みの切なさは、いつか終わってしまうこと。しかし、いつかは終わるからこそ、安心して暇を持て余すことが出来る。

忙しく忙しくて、私たちはいつも何かに追われるように忙しくて、ぎゅうぎゅうに何かを考えて
>>続きを読む

バード★シット(1970年製作の映画)

4.6

凄い。何が凄いって頭から尻尾までもうずーっとふざけまくり。一本の映画でこれだけ徹底してふざけることが出来るものなのか。普通の映画ならこの混沌をコメディとして成立させる為に一本の作品としての質を大いに犠>>続きを読む

ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ(1975年製作の映画)

-

劇中序盤、我が国では余り馴染みのない牛乳で煮しめたホワイトアスパラみたいな謎料理を囲むシーンで、ジェーン・バーキンがジョー・ダレッサンドロの瞳を見つめながら太いアスパラを咥えて唇でムチィと貪っては口角>>続きを読む

三人の女(1977年製作の映画)

4.5

三人の女は三人である必要はなく、一人であることは考えていない。二人であれば良しと思ったとしても、結局四人、五人と散らばって自我の掴み所を喪って、またふと振り向けば一人が雨後の筍のようにいつのまにか形を>>続きを読む

春にして君を想う/ミッシング・エンジェル(1991年製作の映画)

4.0

生きることが忙しくなくなった頃に、やっとその背の重い荷物を初めて降ろして確認できるだろう。
あの日の陽の光、あの夜の露の匂いに、より近く寄り添って微睡むなら、今更何も言うことはない。

くちづけ
>>続きを読む

陽炎座(1981年製作の映画)

4.2

うたた寝に恋しき人を見てしより
夢てふものは頼みそめてき
揺れる揺れる手遊び伝って桶が揺蕩う音立てて、ふわり、とぷん、ふわり、とぷん、鬼燈の橙に寄せられて、六道輪廻の道迷い、慈母と羅刹の絡繰に、この先
>>続きを読む

ツィゴイネルワイゼン(1980年製作の映画)

4.5

こんな夢を見た。
と、他人に語ろうとしても、その次の瞬間に遺されているのは、夢の中に揺蕩ったはずの豊穣な肉附きを削がれた骨組みだけで、いくらその骨の髄を箸で解さんと突いてみても、蒟蒻のように中に震える
>>続きを読む

シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)

4.3

思いもかけぬ土砂降りの雨に叩かれて、いつ止むのか、或いは永遠に止まないのではと途方に暮れて、心の底から雨傘を必要に思う時がある。
このまま雨に打たれるままに、向かう宛の見当もなく歩くのもいい。しかし思
>>続きを読む

サンセットドライブ(2014年製作の映画)

3.9

今も目の前の風景に釣られてデジャヴのように思い出すのは、なんてことのない無機質な街の向こうに見えた、いつかの夕焼け空。
楽しかった一日がもう終わってしまう。楽しみにしていたはずの一日が、もう終わってし
>>続きを読む

反撥(1964年製作の映画)

4.4

捻れたハンモックに引っ掛かったような形容不明な場所から猿に似た大きな影が仰け反りながら叫んでいる。それを浴びる側はアクアリウムの中にでもいるように、常に外側よりも強い圧力の中にあって、深く潜っても、浅>>続きを読む

水の中のナイフ(1962年製作の映画)

3.9

それ以上何も言わないで。
湿った空気が肌に衣服に降り注ぐ。
折り曲げた関節が動く度に毛を剥がれた獣のなめし皮が張り付き離れる度に奏でるハイトーンに属した振動を小さく骨を通じて信じる者の無い評定場で明ら
>>続きを読む

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

4.8

子どもが子どもだった頃に想い巡らせたことは、大人がただの大人になったとしても、まだ大凡は説明のつかないことばかり。
一体僕は何になる?もうすぐ産まれる僕は、想像を絶する痛みを齎した嵐を背に、そのあと貴
>>続きを読む

勝手にふるえてろ(2017年製作の映画)

3.8

頼り甲斐のある、確かなもの。
何かに触れていたい、何かを頼りたい、今過ごす時間は無駄ではない、食って寝る、それだけでもパラレルな永遠の一頁に違いはなく、シンクに並ぶ日々の敵である洗い物を、ヘッドフォン
>>続きを読む

夜は短し歩けよ乙女(2017年製作の映画)

4.3

正直私はその折、元来よりの自己愛と共に湧き出る得体の知れない地熱のような不穏な衝動に促されるまま二条の外堀程度の空間ならば日々怒涛の勢いで積み上がる汚泥の様な情熱で見渡す限り平坦な散歩道に仕立てた上で>>続きを読む

銀河鉄道999(1979年製作の映画)

3.5

発車の時刻を報せるベルはけたゝましく鳴り響く。昔ながらの連打ベル、椀型の金属が打撃にビリビリ震える衝撃が、鼓膜だけでなく包み込む空気ごと肌をも震わせる。旅立ちの時は来た。もうこのあるがままの身体で此処>>続きを読む

アスファルト(2015年製作の映画)

4.0

僕は独りでいる時間を大事にしてるんだ、と堂々と言う人より、やっと独りになれる時間があるとホッとする、と控えめに言う人の方が好感が持てる。そういうこと、なのかも知れない。

序盤、少年シャルリが部屋で独
>>続きを読む

あの夏、いちばん静かな海。(1991年製作の映画)

4.1

波乗りなんていうのは、全くの未経験者からすればそのスポーツジャンルそのものが果てしなく高くそびえる波のようなもので、何となくやってみたいな、とふと思うことはあっても、おいそれと今日から始められるもので>>続きを読む

勝手にしやがれ(1959年製作の映画)

4.3

空っぽなのに、隙間なく詰まって弾けそう。
ビニール袋一杯に、空気を集めて口を握る。
逃避行だけど、昼下がりまで眠っていたい。
馬鹿な振りをしてるのは、君の為じゃない。
あんたの顔は馬鹿みたいだけど、愛
>>続きを読む

レディ・プレイヤー1(2018年製作の映画)

5.0

最の高だ!最の上だ!
スクリーンを見上げて呆気にとられたこと。
スリルに手に汗握り固唾を飲み込んだこと。
ワクワクして瞬きすら忘れて見入ったこと。
映画を好きになり始めた子どもの頃、目を輝かせた、心弾
>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

4.1

どんな酒だって酔えるのに、決まって同じ酒を飲んで一日を終える。
今日を無事に終えられるように、朝ベッドに横たわる身体にキスを。

今、ここにあるもの。今、そこに横たわるもの。昨日のことを忘れるなとばか
>>続きを読む

メッセージ(2016年製作の映画)

5.0

とどのつまり社会とは、人類が認識する世界とは、様々なレベルでのコミュニケーションの巨大な複合体である。
基本的な人間関係から、国家間レベルの交流まで、関係する全ての情報はコミュニケーションから生まれ
>>続きを読む

ベティ・ブルー 愛と激情の日々(1986年製作の映画)

4.5

取るものは取り敢えず、何かを形にしなければ。
形あるものは、手に取って愛でることが出来る。
例えこの手が滑らかに触れた形は無いとしても。

滑らせた指の先には、明らかな感触があった筈なのに、それが掌を
>>続きを読む

サヨナラ COLOR(2004年製作の映画)

3.5

愛するということは、長い夜に灯された美しい一条のランプの光。

初恋の思い出はあるか?
その相手にどれだけの想いを描いた?
どれだけ勝手な想像を巡らせた?どれだけ勝手に自分に向けられた笑顔を想像した?
>>続きを読む

柳生一族の陰謀(1978年製作の映画)

4.0

親に遭うては親を殺し、仏に遭うては仏を殺す。
其は、謂わば善悪を超えた不退転の歩み。

定番化、様式化により停滞期を迎えた任侠映画の様式を根底から破壊し、泥臭い戦後やくざの抗争を綺麗事は綺麗事、現実は
>>続きを読む

モンパルナスの灯(1958年製作の映画)

4.4

若い頃、絵を描くのが得意だった。
というよりも、絵を描く事以外に取り柄らしい取り柄も無くて、高校生になっても勉強なんてからっきし駄目で、親はよく言っていた、「お前はきっと大人になったら生きるのに苦労す
>>続きを読む

blue(2001年製作の映画)

4.2

椅子の四本の脚に付けられたプラスティックのキャップが、教室中に隙間なく並べられた床材の上を滑る時、スチール製の脚を伝わって座面の薄い合板を通してお尻に響く感触。
戸車やレールの劣化によって本来想定され
>>続きを読む

アリスの恋(1974年製作の映画)

3.9

彼女はたった29ドルしか持ってなかった。
懐かしいモントレーまでは、まだまだ遠い。
行き場も無くて片田舎のくたびれたダイナーで真夜中まで働いて、がなり声と男達の好奇の目に晒されて、それでも愛する子供と
>>続きを読む

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)

3.8

私を忘れないで。

俺のことを忘れないで。
贅沢かもしれないけど、時たま思い出して。
実際良いことばかりじゃなかったし、良い思い出なんて、一つも君は覚えていないかもしれないけども。
僕のことを忘れない
>>続きを読む

ときめきに死す(1984年製作の映画)

5.0

青春もない、未来もない、狂おしい想いはとっくに何処かへ置いて来た。
CRTの焼き付きの様な不鮮明な残像は、数日後もこの瞼に絵を結ぶのか。

タイトルバックまでの幾つかのシーンだけで、観る者の頭は掻き乱
>>続きを読む

高校生ブルース(1970年製作の映画)

3.0

こんな危ない映画だったとは。

落日の大映:最末期の作品とあって、その台所事情から最早形振り構っていられない感が全体に漂っており、当時の世相の閉塞感とも相俟って、明るいトーンで描かれて然るべき筈の
>>続きを読む

胎児が密猟する時(1966年製作の映画)

4.2

一瞬は今より永遠に、永遠はその一瞬に帰結する。

ただ一室にて繰り広げられる監禁と暴虐と、愛欲に届くと見せかけて、孤独は高笑いして醜い死体を高く高くに吊り上げる。
男には包み込まれた記憶はあっても、真
>>続きを読む

勇者の赤いバッヂ(1950年製作の映画)

3.6

大した導入もなく、ただ兵站に居るから戦場に行くかもしれない人たちの一人。
そりゃ死ぬのは怖いけど、戦争で死ぬのは名誉なんだって聞いた。
遠くの黒点が徐々に近くに大きく迫るに従い、人が走って来る姿と認め
>>続きを読む

>|