ninjiroさんの映画レビュー・感想・評価

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sweet dreams

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万引き家族(2018年製作の映画)

4.5

ふっくらと膨らんだお腹、あちこちに行ったりしない瞳、おいてけぼりの胸の中、鉢の中でお魚が泳いでるような頭、一体どこであなたは考えているの?見たことのないものを見たという、知らないはずのものを知ってるよ>>続きを読む

フィッシャー・キング(1991年製作の映画)

4.5

人生なんて永い永い夢だと誰かは言う。夢のまた夢、夢から覚めた先の夢。夢の中の私たちをマペットだとするならば、過去も未来も永劫に、指切りの契りを交わすことのないマペティアの指は一体、誰のものだろう?
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四月物語(1998年製作の映画)

3.8

いい風が吹き込んで来る。
遠い向こうまで続く桜のトンネル、憂いの数だけ花弁は路面に降り注ぎ、小さな足取りにもつられて舞い上がる。幾つもある十字路、T字路、曲がり角、湾曲した道、通り道ごとに違う場所へと
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愛の新世界(1994年製作の映画)

3.9

路傍の花の揺れるが如く、記憶の中に愛はそよぐ。咲き誇る花、競って訪う働き蜂はその足で愛の記憶を伝達して、忙しく働く雌、惰眠を貪る雄、それぞれの存在する意味を確認するように、包み込む世界を丸ごと愛して受>>続きを読む

皮ジャン反抗族(1978年製作の映画)

1.8

舘ひろし主演映画、タイトルが「皮ジャン反抗族」とくれば、当時多くの人が連想したのは舘ひろしが創設したバイクチーム「クールス」のことだったろう。たっぷりとしたボリュームのリーゼント、黒いレザージャケット>>続きを読む

恋恋風塵(れんれんふうじん)(1987年製作の映画)

4.2

産まれてもいない時代の、行ったこともない国。何故こんなにも懐かしいのだろう。
年代からすれば私の父親が送った青春時代、その時の日本の風景はこれに近かったかも知れない。遠い記憶、父が見せてくれたアルバ
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サスペリア(2018年製作の映画)

4.0

暗闇に咲く黒い華、神秘は造られたものの上に座して、錯誤はやがて本質となるが為に肉を抉り、頭を挿げ替える。練り固められて元の形を留めないしなやかな平面は嘗ての夢も理想も古の美酒も口にした平面、そのフロア>>続きを読む

君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.4

その季節は半分裸のようにして過ぎた。僕たちが裸だったのは勿論のこと、裸の僕たちを迎える草いきれや土の匂い、気まぐれな子供のような風や清冽な水、全部が何も纏わぬ肌のように肌から肌へと感触を伝播する。夜の>>続きを読む

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)

4.1

売れ筋の車を買い、市場価格相応の注意を払って財産を保全し、標識の示す情報を基に走り、制限速度は程々に、赤信号で止まり、青信号でまた走り出す。自由自在に乗りこなしているように見えて、それはただ大昔に通っ>>続きを読む

トキワ荘の青春(1996年製作の映画)

3.8

後に残るのは喪失感ではない。元より失うことなど問題にはしていない筈だと我々は理解しているからだ。しかし心に空いた空白が、騒がしかった毎日が、少しずつ静かになって行く優しい空白が、毎夜毎晩頼みもしないの>>続きを読む

会社物語 MEMORIES OF YOU(1988年製作の映画)

3.9

「よぉ!今の日本は俺たちが作ったんだぞぉ!」
些かくたびれたクレージーキャッツのメンバーとともに新宿の街を千鳥足で歩く植木等が、誰にともなくただ嘗てとは様変わりした東京の夜空に叫ぶ。

グッと
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BU・SU(1987年製作の映画)

3.9

田舎から上京するまだ面影幼い少女。
故郷の海、ろくに訣れも口にしなかった母の姿、トンネルを抜けた山間の町、童謡「花の街」が流れて、いつのまにか車窓から見えるのはビルの立ち並ぶ、空の狭い風景。頼りなく風
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フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法(2017年製作の映画)

4.3

どうして誰も助けてくれないのかなと考えたことはあったけど、私が悪い子なのは確かだし、私のために誰か他の人が必死になるなんて、そんなのそもそもおかしいもの。
ついこの間まで大きな樹にもたれ掛かって、その
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ザ・デッド/「ダブリン市民」より(1987年製作の映画)

4.1

遠い昔に置いてきた我が身と共にある想い出。
故郷であり、家族であり、初恋であり、苦悩であり、懐かしい原風景とともにある我が身は若々しくも、影も無き無垢な白に見えながら、路傍に積まれた雪に同じく、時を
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劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語(2013年製作の映画)

4.6

あの丘の上でふたり話したこと。
私だけが知ってるあなたのこと。
あなたが知ってる幾つかのこと。
話したくない私は放したくない。
私が少し知ってるあなたのこと。あなたの絶望を予め知っていたら、私の中の永
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男と女(1966年製作の映画)

3.8

銀細工の街、寒々とした海。褪せた雲間から差し込む光は眩しすぎて、白でも黒でもない曖昧な心、負った古傷を海風は乾かすでもなく疼かせる。ボードウォークの靴音は低く、遠く離れた爆音のような響き、笑顔を貼り付>>続きを読む

エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

4.1

夢は消えた。誘惑の瞳、ポケットの無い穿き物。視界を遮る性も死も相応しい隠し場所を持たず、両手は握ることを知らされず、切り花を敷き詰めた箱の中、幾億の針先により構成された道の無きガレージの中、優雅に飛ぶ>>続きを読む

スウェーディッシュ・ラブ・ストーリー/純愛日記(1969年製作の映画)

4.0

この世の終わりがもうすぐ来るとしたら、どうする?そう静かに言いながら、ベッドからはみ出したシーツを手際よく直した彼の眼は、少なくとも私の眼には、彼のいつもの悪戯な瞳として映らなかった。きっとつまらない>>続きを読む

ジョゼと虎と魚たち(2003年製作の映画)

4.4

キラキラなんて光りゃぁせん。ボチボチなんて悠長に構えてやぁせん。邪魔なもんばっかりや、無駄なもんばっかりや、生きるにしたって野垂れ死ぬにしたって。つまらんものを集めたって何にもならんのは知っとるけど、>>続きを読む

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 後編 永遠の物語(2012年製作の映画)

4.5

希望と絶望は相見えて、希望は単なる入り口だった事をその時初めて知る。出口だと思った絶望は果てしなく続き、時折掠める仄かな灯や標識の影だけが、今も尚この意識が暗闇の中にあることを教えてくれる。いつかの祈>>続きを読む

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語(2012年製作の映画)

4.5

繋いだ手の暖かさ、その余韻だけを頼りに幾つもの夜を越えて。夢の中で会った顔、靄が掛かったように見つけられない探し物、気がつけば本当にそれがここにあったのかどうかを疑う程、でも待ってて、約束がなくても必>>続きを読む

ガタカ(1997年製作の映画)

4.1

見通しも効かない鼓動だけの世界。眼が開いているのかただ空白を認識しているだけなのか。何れにしてもそれは、幸せに満たされた抱擁、この身体が感じた幸せ、満たされた日々、溶け合った世界が法則を持って螺旋状に>>続きを読む

KOTOKO(2011年製作の映画)

4.0

母と同じかどうかわからない。この街が同じかどうかわからない。でも夢を毟り取られたなら大体何処でも同じに見える。口遊む唄には一条の希望を、揺蕩う指先には安らぎを、儚きこの身体には腕尽くにでも生きる理由が>>続きを読む

ローラ(1961年製作の映画)

3.8

あの頃の夢はいつまでも覚めない。あの頃の君がどんなに変わろうとも。あの頃の僕は今の十倍大きかった。あの頃に比べたら何もかもがうまく行かない。
あの頃の私を街で見掛けることはない。あの頃に見上げた影は見
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ペンギン・ハイウェイ(2018年製作の映画)

4.2

夏休みの切なさは、いつか終わってしまうこと。しかし、いつかは終わるからこそ、安心して暇を持て余すことが出来る。

忙しく忙しくて、私たちはいつも何かに追われるように忙しくて、ぎゅうぎゅうに何かを考えて
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バード★シット(1970年製作の映画)

4.6

凄い。何が凄いって頭から尻尾までもうずーっとふざけまくり。一本の映画でこれだけ徹底してふざけることが出来るものなのか。普通の映画ならこの混沌をコメディとして成立させる為に一本の作品としての質を大いに犠>>続きを読む

ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ(1975年製作の映画)

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劇中序盤、我が国では余り馴染みのない牛乳で煮しめたホワイトアスパラみたいな謎料理を囲むシーンで、ジェーン・バーキンがジョー・ダレッサンドロの瞳を見つめながら太いアスパラを咥えて唇でムチィと貪っては口角>>続きを読む

三人の女(1977年製作の映画)

4.5

三人の女は三人である必要はなく、一人であることは考えていない。二人であれば良しと思ったとしても、結局四人、五人と散らばって自我の掴み所を喪って、またふと振り向けば一人が雨後の筍のようにいつのまにか形を>>続きを読む

春にして君を想う/ミッシング・エンジェル(1991年製作の映画)

4.0

生きることが忙しくなくなった頃に、やっとその背の重い荷物を初めて降ろして確認できるだろう。
あの日の陽の光、あの夜の露の匂いに、より近く寄り添って微睡むなら、今更何も言うことはない。

くちづけ
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陽炎座(1981年製作の映画)

3.9

うたた寝に恋しき人を見てしより
夢てふものは頼みそめてき
揺れる揺れる手遊び伝って桶が揺蕩う音立てて、ふわり、とぷん、ふわり、とぷん、鬼燈の橙に寄せられて、六道輪廻の道迷い、慈母と羅刹の絡繰に、この先
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ツィゴイネルワイゼン(1980年製作の映画)

4.5

こんな夢を見た。
と、他人に語ろうとしても、その次の瞬間に遺されているのは、夢の中に揺蕩ったはずの豊穣な肉附きを削がれた骨組みだけで、いくらその骨の髄を箸で解さんと突いてみても、蒟蒻のように中に震える
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シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)

4.3

思いもかけぬ土砂降りの雨に叩かれて、いつ止むのか、或いはもう永遠に止まないのではと途方に暮れて、心の底から雨傘を必要に思う時がある。
このまま雨に打たれるままに、向かう宛の見当もなく歩くのもいい。しか
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サンセットドライブ(2014年製作の映画)

3.9

今も目の前の風景に釣られてデジャヴのように思い出すのは、なんてことのない無機質な街の向こうに見えた、いつかの夕焼け空。
楽しかった一日がもう終わってしまう。楽しみにしていたはずの一日が、もう終わってし
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反撥(1964年製作の映画)

4.4

捻れたハンモックに引っ掛かったような形容不明な場所から猿に似た大きな影が仰け反りながら叫んでいる。それを浴びる側はアクアリウムの中にでもいるように、常に外側よりも強い圧力の中にあって、深く潜っても、浅>>続きを読む

水の中のナイフ(1962年製作の映画)

3.9

それ以上何も言わないで。
湿った空気が肌に衣服に降り注ぐ。
折り曲げた関節が動く度に毛を剥がれた獣のなめし皮が張り付き離れる度に奏でるハイトーンに属した振動を小さく骨を通じて信じる者の無い評定場で明ら
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ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

4.8

子どもが子どもだった頃に想い巡らせたことは、大人がただの大人になったとしても、まだ大凡は説明のつかないことばかり。
一体僕は何になる?もうすぐ産まれる僕は、想像を絶する痛みを齎した嵐を背に、そのあと貴
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