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不死身の保安官のtaDaoのレビュー・感想・評価

不死身の保安官(1959年製作の映画)
3.5
銃は鳥を打つためのものと信じている主人公が、自らの英国人としての習慣に従いながら、アメリカ西部の荒野で起こるトラブルを無邪気に解決していく姿は、王道の西部劇ではないものの、その独特な魅力で印象に残る映画です。

彼が先住民族に襲われた際に酋長を説得し、さらには偶然早撃ちガンマンと誤解されて地元の保安官に任命されるように、当時の慣習をユーモラスに扱い、イギリスの平和的な感覚を西部に持ち込みながら、地元の牧場主や住民との対立を解決していきます。しかも彼の渡米のキッカケが本国での銃の販売不振というのも本末転倒で笑えます。

彼のインディアンや町の人々との交流は、当時のジャンルには珍しく、より包括的でステレオタイプに寄りすぎないアプローチを示しています。軽やかなノリと予測不可能な展開で、一風変わった西部劇の楽しさを提供しています。

映画の一部は1950年代の文化的規範を反映しているものの、ウォルシュの巧みな演出と自然の美しい背景により、観る人を楽しませます。画期的とは言えないものの、古典的な西部劇のフォーマットに新鮮なひねりを加えた楽しい作品です。
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