ハワイの達人サーファーたちを普通に撮って並べたと思ったら、それをイントロにしてカリフォルニアからアフリカへ行っちゃって、文化人類学的面白さ! その果ての、南アフリカのセント・フランシス岬の超ロングライドに陶然!! よすぎる!!! ビッグウェイヴも豪州で拝めるよ! これ以上求めるものは何もナイ!?!?
───うん!
元サーファー/現サーファー/近いうちにサーフィン始めたいと思ってる人。そういう時制で生きてる三者にとっては、低評価なんてしようがない神映画(とりあえずネプチューン神公認)。それ以外の、単に映画好き+普通に海好きなだけの陸people(オカピーポと読む)には、中盤まで(ハワイ~セネガル~ナイジェリア~南アフリカ~豪州)は瞳キラッキラまちがいないけど、さすがにぶっ続けで観た場合の後半(NZ~タヒチ~最後のハワイ)は「いつ終わるのぉ?」と倦んじゃいそうな心配。動物とか人とかいろいろワクワクを挟みながらも、ずっとサーフィンしてるからね。
「サーファーが必ず観るべきドキュメンタリー映画ッ」と何年も云われつづけ、ようやくこのヘンな年2020年の Go to Chiba をマリ的に解禁したついでに初しっかり円盤レンタル(自分ちゃん、おめでと)!
以前、馴染みの某サーフショップ内のTVで(無音声/字幕オフで)流しっぱなしにコレなってたんだよね。店のBGMはたいてい最近のレゲエかヒップホップ。
ところが、初しっかりを今回やってみたら、、 ナレーションは最々高々六つ星級なんですけども、音楽が古臭くてやかましいので少しがっかり。ザ・サンダルズが担当? 制作当時はもちろん最先端のイケ具合だったんだろうけど。
で、登場人物たちのセリフはないんだから、私から提案。各自が各んちで(無音声/字幕オンで)一番好きな夏音楽をかけながらコレ観たらいいよ!! 後半に Pet Sounds(インストゥルメンタルの)に似た風合いの曲が鳴り響いてたのに触発され、古くても古臭くない不朽常夏音楽の代表である The Beach Boys をマリはマリらしくヘッドホンで高音量で聴きながらリピ見してみたよ!! そしたら、はい、サーフィン映画の金字塔って説に迷いなく一票入れ直し!!!!(ちなみに、安直でも何でもなく The Beach Boys の1st~3rdアルバム+鳥肌級アルバム All Summer Long で耳穴を涼しく満たしました。)
サーフィンには(悔しくもなく)英語こそがやっぱ似合うし、ナレーションにほんと七つ星ぐらいあげれちゃう。ウィットに富みまくってる。バド缶かコナビール壜にハムサンドを持って観たくなりましょう。
「湿度は5000%? 水中のほうが乾いてる感じ」
「600キロ走って握手して また600キロ帰っていく」
「こんな波の後は まるで背中は捻じれた時計バンド」
「これはボディサーフィンなのか? 死後硬直なのか?」
(顔の汚れてる少年をみて☞)「ミスター・クリーンと呼ぶ」
(仲間をヨットで引っ張りながら☞)「彼をエサにしてサメを釣ろう」
「波に押されたボードは人間を真っ二つにする」
波コンディションにまつわる挨拶言葉「惜しい。昨日来ればよかったのに」が何度か出てきて、ずっと前に私はナンパをイナす時に「惜しい。先月声かけてくれればよかったのに」みたいなセリフ使ったことあったから、微苦笑。
んなことより、波だ、波! もう、もう、もう、セント・フランシス岬には私も行ってみたい。人生の夢が一つ増えたのがこの場合心底嬉しい! 元々私、リップかましたり大波志向したりするよりひたすらキモチよく水上を長滑りしてくのが(やるのも見るのも)好きだから、できればフィルムもっと使ってもらって(フィルムが足りないなんて云わないで)この超長ライドシーン(砂丘終わってからライオン映すまでの約4分23秒間)をもっともっと観させてもらいたかったし、ここまだ中盤ではあるけども本作のクライマックスだとさえ思う。In My Room と The Surfer Moonを続けて流せば丁度そんな尺なんだよね、私がそのボード上にいたらきっと口ずさむよ。ほかに Surfer Girl や Your Summer Dream や
Spirit Of America や Lonely Sea や The Warmth Of The Sun や
Keep An Eye On Summer でもいいよ。心地よすぎる三連ロッカ。。。
主役のメンズ二人、ロバート・オーガストはラテン風のダークブラウン髪のグーフィーフッター(左向き)、マイク・ヒンソンはどっから見てもオールアメリカンボーイフレンドな金髪オールバックでコーラや赤いオープンカーやピンボールやマリリンモンローのカレンダーが似合いそうでレギュラーフッター(右向き)。いい取り合わせを映画として選んだね!(ちなみに私はレギュラー。)
あからさまに白人男性中心の目線ですべては進み、女性は愛でる対象でしかなく、黒人は異質なもの(喰われたらどうしようという不安を勝手に抱いておいて純朴さに打ち解ければトモダチ)。これ撮られた1966年は、(ある意味では2020年と変わりゃしないけど)白人による有色人種差別と文化人類学的傲慢観点のまだまだ激しかった頃。65年に米アラバマの血の日曜日事件、67年にベトナム戦争反対者モハメッド・アリの王座剥奪、68年にブラック・パワー・サリュート(メキシコ五輪の有名な抗議事件)、豪州は白豪主義の真っただ中(サリュートに連座したピーター・ノーマンへの迫害)、そして南アではアパルトヘイトでマンデラ氏の獄中生活厳しく続行中。そんな時代に、可愛らしいスマートなイケメンの米国白人青年二人が人なつっこく地球を一周するこの映画に、いろいろを思うことは思うんだ、私は。
でもまあ私もやっぱり、すっきりした明るいイケメンたちには弱いから、特に豪州シークエンスのロドニー・サンプターくん16才とは結婚したくなっちゃった。可愛い。。。。
てことで、この名作に私の心も完全なロックド・イン。特にセント・フランシス岬にね。
たぶん Filmarks やってる人の中で数年内に鮫に喰われて死ぬ可能性が最も高いかもしれない私の、とりあえずの遺言は、「ええ、楽しめました。ブルース・ブラウンさん。ありがとうございます。私も、みんなも、人生のパーフェクトウェイヴをこれからキャッチです。できる範囲内で、ロバート&マイクみたくみんなで地球を楽しもう」!
[つたや]