きゅうげん

エクソシスト3のきゅうげんのレビュー・感想・評価

エクソシスト3(1990年製作の映画)
3.4
ジョージ・C・スコットvs悪魔!
シリーズ第3作にして偉大なる初代の正統続編。

『2』に納得できなかった原作者ウィリアム・ピーター・ブラッティ自らメガホンをとり、悪魔はあくまで背景化して、キンダーマン警部が活躍する連続殺人鬼モノに……しようとしたところ、ドル箱シリーズ『エクソシスト』の後継作品である以上、ジェイソン・ミラーと悪魔祓いで売り出したいスタジオと方向性の違いで対立。
込み入ったわりにボンヤリしてるのは、そういう理由があるんですね。

まぁ、王道オカルトホラーな初代からちょっとズラして、刑事ドラマ的なハード&シリアス仕立てにしたい原作者の試みは分からないでも無いですが、しかしゾディアック風キラー設定の捩じ込みは、ちょっと口当たり強すぎ。
また、カラス神父再登板とクライマックスのエクソシスム・バトルとを盛り込んだスタジオ側の改変も、『エクソシスト』らしさを担保するものとして分からないでも無いですが、しかし全体的に控えめな雰囲気とは食い合わせが悪く……。


キンダーマン警部とダイアー神父、付き合ってんのかってくらい仲良しだったり、小心者の医者とかアンニュイな老看護師とか警部の家族とか妙にキャラクター立ってたり、廊下クビ斬りジャンプスケアとか天井スパイダーウォーク婆とか謎の夢シーンとか、愛嬌あるし魅力もあるだけに何だか勿体無い感じの映画です。