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ラブ・アクチュアリーのp99のレビュー・感想・評価

ラブ・アクチュアリー(2003年製作の映画)
4.2
2015年7月15日。それは僕がFilmarksの会員登録を済ませ、初めてレビューを投稿した日付である。それから、僕の人生の中で最も映画を観続ける日々が始まったと言っても過言ではない。今まで触れてこなかった映画もたくさん観た。スパイ映画を筆頭に、アクション、ドラマ、サスペンス、コメディ…様々な映画に対する感動を皆と共有できることがとにかく嬉しかった。

この度、過去99個のレビューを見返して一つ思ったことがある。それは「恋愛映画が1本たりともないじゃないか!!」ということである。

本作『ラブ・アクチュアリー』を観たのは、100本目にこれまで全くレビューしてこなかった「恋愛映画」をレビューし、新たな一歩を刻もうと思ったからである。(…それと実はもう一つ裏の理由があって、それは僕が大好きなコリン・ファースが出演しているという下心によるものである。)

ジェイソン・ステイサム、サイモン・ペッグ、ジャック・ニコルソン、コリン・ファース、クリストファ・ヴァルツ…思えば7月15日以来、僕は次々と様々な俳優に恋してきたのだ。そして、本作を観はじめると、やはりコリンに癒され、リーアム・ニーソンにも惹かれ、他にも画面に現れては消えていく様々な素敵紳士たちに共感していく。本作はそんな彼らの恋愛群像劇を、憧れの笑みと共に見守る映画である。だから、僕は彼ら一人一人の行動や心情に触れることで、とても幸せな気分に浸っていたのだ。そう、彼が現れるまでは…

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僕の最初のレビューを覚えているだろうか?(誰も覚えていないだろうが)…それは『Mr.ビーン』である。ビーン役の俳優の名前は”ローワン・アトキンソン”。Filmarksを始めるきっかけになった思い入れ深い俳優だ。

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そんなローワンが、何の前触れもなく、まるで彗星の如く、『ラブ・アクチュアリー』の画面に現れたのだ!!しかも、本作で彼がとる行動はMr.ビーンそのものである。彼が登場する2分足らずのシーンにおいて、僕は笑えるだけ笑った。涙まで出てきた。しかし、一通り笑った後に考えると、僕が最初に恋をした彼が100本目に現れるなんて、何かの思し召しじゃないかという思いが頭をよぎったのである。

そう、彼は忠告にきたのだろう。「たまには過去を振り返れ。私も忘れてくれるなよ…と。」それは本作で彼が金のネックレスを売る相手に与えた忠告とほとんど同種のものであった。(その相手はある会社の社長で、不倫相手にプレゼントしようとしているネックレスをローワンは意図せずになかなか渡さない)

僕は他の俳優たちに浮気したことを少し申し訳なく思った。しかし、ローワン・アトキンソンを心から好きになった当初の懐かしい思いも同時に湧きあがってきた。

僕はこれからもたくさんの俳優に、監督に、アクションに、脚本に、次々と恋をしていくのだろう。そう感じる。

だから僕はローワンにこう伝えたい。「ありがとうローワン。僕を映画に恋させてくれて。どうかこれからも見守っていてください。」
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